イヌ摘出右心房筋標本におけるニューロペプタイドPACAP38の変時, 変力作用
(目的)イヌ摘出右心房筋血液灌流標本を用いて, ニューロペプタイドPACAP38(pituitary adenylate cyclase activating polypeptide 38)の変時, 変力作用及びその作用機序について検討する. (方法)摘出右心房筋標本を洞結節動脈を介して, 供血犬からのヘパリン化動脈血液で定圧灌流し, 自己洞調律による心拍数と収縮力を記録した. 薬物は灌流動脈に注入した. (結果)PACAP38は右心房筋標本において心拍数を13例中, 5例において増加させ, 4例は一過性に上昇し後に低下させる二相性の変化を示し, 2例は減少するのみで, 残りの2例では変化を示...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1996, Vol.107 (1), p.54-54 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | (目的)イヌ摘出右心房筋血液灌流標本を用いて, ニューロペプタイドPACAP38(pituitary adenylate cyclase activating polypeptide 38)の変時, 変力作用及びその作用機序について検討する. (方法)摘出右心房筋標本を洞結節動脈を介して, 供血犬からのヘパリン化動脈血液で定圧灌流し, 自己洞調律による心拍数と収縮力を記録した. 薬物は灌流動脈に注入した. (結果)PACAP38は右心房筋標本において心拍数を13例中, 5例において増加させ, 4例は一過性に上昇し後に低下させる二相性の変化を示し, 2例は減少するのみで, 残りの2例では変化を示さなかった. 一方収縮力は陽性の変力作用のみを示した. atropineにより, PACAP38による陽性変時, 変力作用は増強され, 陰性変時作用は抑制された. またPACAP38による陽性変時, 変力作用はpropranololによって抑制されなかった. PACAP38による変時, 変力作用はphysostigmineにより陰性変時, 変力作用優位となり, tetrodotoxinによって陰性変時, 変力作用は抑制された. (結論)PACAP38はイヌ摘出右心房筋血液灌流標本において陽性及び陰性変時, 変力作用を示した. PACAP38の陰性変時, 変力作用は, PACAP38が副交感神経線維を刺激しacetylcholineを遊離させることによると考えられた. |
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ISSN: | 0015-5691 |