初代培養肺胞II型上皮細胞に発現するβ_1 -およびβ_2 -adremceptor mRNA量の変化

肺サーファクタントは, 肺胞の気―液界面部の表面張力を低下させ肺胞の虚脱を防止するばかりでなく, 気道クリアランスの効率化にも密接に関与する. 肺サーファクタントの合成および分泌は肺胞II型上皮細胞で行われているが, その分泌にはβ-adrenoceptorを介した調節機講が関与していることはよく知られている. 我々は先に, II型細胞のβ-adrenoceptorにはβ_1 -およびβ_2 -両サブタイプが存在し, いずれも肺サーファクタント分泌を調節していることを薬理学的に明らかにした1), また, II型細胞は肺サーファクタントの合成・分泌のほかに, 肺胞I型細胞の前駆細胞としての機能を...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1995, Vol.106 (suppl), p.112-116
Hauptverfasser: 礒濱洋一郎, 九万田由貴江, 金丸美由紀, 甲斐広文, 高浜和夫, 宮田健
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:肺サーファクタントは, 肺胞の気―液界面部の表面張力を低下させ肺胞の虚脱を防止するばかりでなく, 気道クリアランスの効率化にも密接に関与する. 肺サーファクタントの合成および分泌は肺胞II型上皮細胞で行われているが, その分泌にはβ-adrenoceptorを介した調節機講が関与していることはよく知られている. 我々は先に, II型細胞のβ-adrenoceptorにはβ_1 -およびβ_2 -両サブタイプが存在し, いずれも肺サーファクタント分泌を調節していることを薬理学的に明らかにした1), また, II型細胞は肺サーファクタントの合成・分泌のほかに, 肺胞I型細胞の前駆細胞としての機能を持つと考えられている. In vitroにおいても, II型細胞をプラスチック培養皿を用いて長時間培養すると, 肺サーファクタントの合成・分泌能は消失し, 偏平化した肺胞I型細胞様の細胞へと表現型を変えることが知られている2). しかし, ガス交換に関与すると考えられているI型細胞についての機能的な指標はなく, このことが肺胞上皮細胞の分化に関する研究を困難にしている.
ISSN:0015-5691