ムスカリン受容体とシグナルトランスダクション

1914年Daleはコリン誘導体の末梢神経に対する薬理作用の研究から, ムスカリン作用とニコチン作用の区別を明らかにした. 副交感神経の標的にはベニテングダケなどにあるムスカリンが作用し, その作用はBelladonna Plantと呼ばれるナス科の植物にあるアトロピンによって抑制される. 骨格筋や自律神経節後神経にはニコチンが作用し, ムスカリンは作用しない. その後, 内在性リガンドはいずれの場合もアセチルコリンと同定された. ムスカリン及びニコチン作用の標的はムスカリン性及びニコチン性アセチルコリン受容体と定義され, 1980年代になってこれら受容体は膜蛋白質として同定された. ムスカリ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1995, Vol.106 (suppl), p.23-28
Hauptverfasser: 芳賀達也, 郭政東, 中村史雄, 加藤真理子, 芳賀和子, 亀山仁彦, 津賀浩史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:1914年Daleはコリン誘導体の末梢神経に対する薬理作用の研究から, ムスカリン作用とニコチン作用の区別を明らかにした. 副交感神経の標的にはベニテングダケなどにあるムスカリンが作用し, その作用はBelladonna Plantと呼ばれるナス科の植物にあるアトロピンによって抑制される. 骨格筋や自律神経節後神経にはニコチンが作用し, ムスカリンは作用しない. その後, 内在性リガンドはいずれの場合もアセチルコリンと同定された. ムスカリン及びニコチン作用の標的はムスカリン性及びニコチン性アセチルコリン受容体と定義され, 1980年代になってこれら受容体は膜蛋白質として同定された. ムスカリン受容体はGタンパク質共役受容体, ニコチン受容体はイオンチャネル受容体で, 構造, 機能ともに異なる受容体である.
ISSN:0015-5691