Amphotericin Bによるカテコールアミン分泌

第61回日本薬理学会総会で, 私達はアミノグリコシド系抗生物質がカテコールアミン(CA)分泌を抑制することを報告した. 今回, ポリエン系抗生物質のamphotericin Bが牛副腎髄質細胞からのCA分泌を促進することを認めたので, その作用機構も含め報告する. 【方法】コラゲネース振盪法により, 牛副腎髄質から分離細胞を調製し, 神経系のモデルとして実験に用いた. CAはエチレンジアミン法による蛍光測定で定量, またドーパミン-β-水酸化酵素(DBH)はチラミンを基質とし, オクトパミン生成量で活性を測定した. GOTはMDH UV法で, 乳酸脱水素酵素(LDH)はロブレスキー変法のUV法...

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Hauptverfasser: 工藤賢三, 立川英一, 高橋三郎, 水間謙三, 近藤俊子, 伊藤浩司, 樫本威志
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:第61回日本薬理学会総会で, 私達はアミノグリコシド系抗生物質がカテコールアミン(CA)分泌を抑制することを報告した. 今回, ポリエン系抗生物質のamphotericin Bが牛副腎髄質細胞からのCA分泌を促進することを認めたので, その作用機構も含め報告する. 【方法】コラゲネース振盪法により, 牛副腎髄質から分離細胞を調製し, 神経系のモデルとして実験に用いた. CAはエチレンジアミン法による蛍光測定で定量, またドーパミン-β-水酸化酵素(DBH)はチラミンを基質とし, オクトパミン生成量で活性を測定した. GOTはMDH UV法で, 乳酸脱水素酵素(LDH)はロブレスキー変法のUV法でそれぞれ活性を測定した. 【結果・考察】1)Amphotericin B(1~4μg/ml)は濃度依存性に副腎髄質細胞からCAを分泌させた. また, amphotericin BはCAと同様に顆粒内に局在するDBHを濃度依存性に細胞外へ遊離させたが, 細胞内蛋白質マーカーのLDHやGOTを遊離させなかった. 2)Amphotericin BによるCA分泌は細胞外液のNa^+ 濃度を減少させると抑制された. また, Ca^2+ 除去によって完全に阻害された. 以上の結果は, amphotericin Bが副腎髄質細胞からCAをエキソサイトーシスによって分泌させることを示しており, その効果が抗生物質による細胞内へのNa^+ 流入の結果生じることを示唆している.
ISSN:0015-5691