イヌ摘出心臓標本における新規徐脈薬bertosamilの変時, 変力作用

(目的)イヌ摘出右心房筋及び左心室筋血液灌流標本を用いて, 新規徐脈薬bertosamil(BS)の変時, 変力作用及びその作用機序について検討する. (方法)摘出右心房筋及び左心室筋標本を洞結節動脈及び左前下行枝を介して, 供血犬からのヘパリン化動脈血液で定圧灌流した. 右心房筋標本は自己洞調律による心拍数と収縮力を, 左心室筋標本は120bpmで電気的に駆動し収縮力を記録した. 薬物は灌流動脈に注入した. (結果)BSは右心房筋標本において心拍数, 収縮力ともに2相性の変化を示した. 心拍数は初期相において一過性に上昇し, 後期相では徐々にしかも持続的に減少した. 収縮力は初期相において一...

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Hauptverfasser: 米沢孝典, 古川安之, 笠間美穂, 保屋野雄志, 今村浩, 千葉茂俊
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:(目的)イヌ摘出右心房筋及び左心室筋血液灌流標本を用いて, 新規徐脈薬bertosamil(BS)の変時, 変力作用及びその作用機序について検討する. (方法)摘出右心房筋及び左心室筋標本を洞結節動脈及び左前下行枝を介して, 供血犬からのヘパリン化動脈血液で定圧灌流した. 右心房筋標本は自己洞調律による心拍数と収縮力を, 左心室筋標本は120bpmで電気的に駆動し収縮力を記録した. 薬物は灌流動脈に注入した. (結果)BSは右心房筋標本において心拍数, 収縮力ともに2相性の変化を示した. 心拍数は初期相において一過性に上昇し, 後期相では徐々にしかも持続的に減少した. 収縮力は初期相において一過性に上昇し, 後期相においては軽度の低下を示した. 左心室筋標本においては用量依存的に収縮力を増強した. BSはnorepinephrineによる陽性変時, 変力作用を高用量にて抑制し, AChによる陰性変時変力作用は抑制しなかった. また, BSによる陰性変時作用, 陽性変力作用はそれぞれatropine, propranololによって抑制されなかった. BSはK^+ (ATP)チャンネル開口薬であるpinacidilの陰性変時, 変力作用を用量依存的に抑制した. またBSはL-type Ca^2+ チャンネルアゴニストであるBayk8644の陽性変時, 変力作用を高用量にて抑制した. (結論)BSはイヌ摘出右心房筋血液灌流標本において陽性に続く陰性の2相性の心拍数及び収縮力変化を示したが, 左心室筋標本において収縮力は陽性の変化のみを示した. BSはIK^+ (ATP)を用量依存的に抑制し, L-type I Ca^2+ を高用量にて抑制することが示された.
ISSN:0015-5691