血管再狭窄におけるインテグリン機能抑制の意義

閉塞性の冠動脈疾患に対して, percutaneous transluminal coronary angioplasty(PTCA)やt-PAなどの血栓溶解薬を用いての再開通術が頻繁に行われるようになり, 臨床において効果をあげている. これに伴い, 術後にみられる再狭窄(restenosis)は, 血栓性および血管平滑筋の増殖/遊走によるものを含め6ヵ月以内に25%が再試行が必要(1, 2)といわれる程, 重要な問題となっている. 再開通直後における傷害血管の内表面は, 再生内皮細胞による抗血栓性の修復が完成された状態ではなく, その表面には血小板が多数粘着している場合が観察される(3)....

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1995-09, Vol.106 (3), p.143-155
Hauptverfasser: 松野浩之, Marc F. Hoylaerts, Jos Vermylen, Hans Deckmyn
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:閉塞性の冠動脈疾患に対して, percutaneous transluminal coronary angioplasty(PTCA)やt-PAなどの血栓溶解薬を用いての再開通術が頻繁に行われるようになり, 臨床において効果をあげている. これに伴い, 術後にみられる再狭窄(restenosis)は, 血栓性および血管平滑筋の増殖/遊走によるものを含め6ヵ月以内に25%が再試行が必要(1, 2)といわれる程, 重要な問題となっている. 再開通直後における傷害血管の内表面は, 再生内皮細胞による抗血栓性の修復が完成された状態ではなく, その表面には血小板が多数粘着している場合が観察される(3). 血管傷害部位における過度な血小板の粘着, 凝集は, 血栓性の再閉塞において重要な役割を果たしていることは言うまでもなく, 傷害血管の治癒の過程において血管平滑筋の再生に重要な役割をなすcompetence(PDGF等)(4)とprogression factors(βtransforming growth factor, epidermal growth factor等)(5)を供給することで平滑筋の増殖/遊走に関与しているものと考えられる.
ISSN:0015-5691