マウスの薬物代謝酵素に及ぼすエタノールの影響
薬物代謝酵素であるカルボキシエテラーゼ(CEase), チトクーム c 還元酵素, b5 およびチトクローム P-450(P-450)に及ぼすエタノールの影響についてマウス脳, 心臓および肝臓を用いて検討した. マウスは 15% エタノール-水道水(エタノール群, 対照群としては水道水)および固形食を3週間自由に与えた. ミクロソーム(Ms)中の P-450 量は常法に従い測定した. CEase 活性は p-nitorophenylacetate を基質に用いて測定した. 一方, コカインをエタノール存在下, Ms とインキュベートした後, ODS カラムを用いた HPLC により, コカイン...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1995, Vol.105 (2), p.147-147 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 薬物代謝酵素であるカルボキシエテラーゼ(CEase), チトクーム c 還元酵素, b5 およびチトクローム P-450(P-450)に及ぼすエタノールの影響についてマウス脳, 心臓および肝臓を用いて検討した. マウスは 15% エタノール-水道水(エタノール群, 対照群としては水道水)および固形食を3週間自由に与えた. ミクロソーム(Ms)中の P-450 量は常法に従い測定した. CEase 活性は p-nitorophenylacetate を基質に用いて測定した. 一方, コカインをエタノール存在下, Ms とインキュベートした後, ODS カラムを用いた HPLC により, コカイン同様の薬理性を有するコカエチレンの生成を確認した. さらに, CEase は form 1タイプの CEase と高い相同性を持つと報性告されているハムスター肝 Ms 画分から得られた CEase I の抗体を用いて Western blotting を行い, 染色された分子量 5.8 万付近のバンドの画像解析により対照群とエタノール群の量的相異を観察した. 肝臓においては P-450 量および CEase 活性は顕著にエタノール群が対照群に比較して高い値を示した. コカインからコカエチレンの生成量もエタノール群が対照群より高かった. ついで, Western blotting を行った結果, CEase I と同じ分子量のバンドが強く染色された. このバンドは画像解析の結果, エタノール群が対照群に比較して顕著に量的に多いことが明らかとなった. 以上, エタノールにより誘導された CEase はコカインからコカエチレンへのエステル交換反応に関与していることが示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |