制癌剤 Adriamycin を細胞質から核内に移行するための Translocator の性質について
演者らはマウス リンパ性白血病細胞 L1210 の細胞質中に DNA 塩基対への Intercalator である制癌剤の Adriamycin(ADM)と特異的に結合する画分を見いだし, 核内に移行するための Translocator であることを示唆した. 今回は上記画分が ADM の核 DNA への Translocator であることを実証し, さらに, ADM の核移行機序を明らかにするためにその性質について検討した. 対数増殖期の L1210 細胞から調製した細胞質と[14 C]ADM を一定時間インキュベートした後, 透析または限外濾過を行うとその放射活性の大部分が高分子画分に認...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1995, Vol.105 (2), p.147-147 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 演者らはマウス リンパ性白血病細胞 L1210 の細胞質中に DNA 塩基対への Intercalator である制癌剤の Adriamycin(ADM)と特異的に結合する画分を見いだし, 核内に移行するための Translocator であることを示唆した. 今回は上記画分が ADM の核 DNA への Translocator であることを実証し, さらに, ADM の核移行機序を明らかにするためにその性質について検討した. 対数増殖期の L1210 細胞から調製した細胞質と[14 C]ADM を一定時間インキュベートした後, 透析または限外濾過を行うとその放射活性の大部分が高分子画分に認められた. [14 C]ADM と結合画分の結合は Molybdate によって増強されたが, Methylprednisolone, Benzo[α]pyrene によって顕著に影響されなかった. この[14 C]ADM 結合画分は Sephacryl S-300 ゲル濾過により Void volume 直後に溶出された. また, 同画分は Hydroxylapatite, DEAE-Toyopearl, DNA-cellulose に吸着し, Hydroxylapatite および DEAE-Toyopearl から高塩濃度で溶出されたが, DNA-cellulose ではその結合画分は溶出されなかった. |
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ISSN: | 0015-5691 |