培養三叉神経節細胞の痛覚受容器の性質について
我々は第67回本学会年会において一次知覚神経における痛みの受容機構を検討する目的でモルモットの三叉神経節細胞の初代培養を行い, これら細胞における細胞内カルシウム濃度に対する各種発痛物質の影響について報告した. 今回は発痛物質が作用する培養三叉神経節細胞の痛覚受容器の性質について検討を行った. 【方法】モルモットの三叉神経節を摘出, 酵素処理を行った後, poly-D-lysine でコーティングしたカバーガラス上で培養を行った. 細胞内カルシウム濃度([Ca2+ ]i)の測定は fura-2/AM を用い, カルシウム顕微鏡により行った. 【結果】(1)Histamine により誘発された[...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1995, Vol.105 (2), p.146-146 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 我々は第67回本学会年会において一次知覚神経における痛みの受容機構を検討する目的でモルモットの三叉神経節細胞の初代培養を行い, これら細胞における細胞内カルシウム濃度に対する各種発痛物質の影響について報告した. 今回は発痛物質が作用する培養三叉神経節細胞の痛覚受容器の性質について検討を行った. 【方法】モルモットの三叉神経節を摘出, 酵素処理を行った後, poly-D-lysine でコーティングしたカバーガラス上で培養を行った. 細胞内カルシウム濃度([Ca2+ ]i)の測定は fura-2/AM を用い, カルシウム顕微鏡により行った. 【結果】(1)Histamine により誘発された[Ca2+ ]iの上昇は pyrilamine(H1 antagonist)の前処置により拮抗されたが, cimetidine(H2 antagonist)の前処置では影響を受けなかった. また, H1 agonist である 2-pyridylethylamine により[Ca2+ ]iの上昇がみられたが, H2 agonist の impromidine では[Ca2+ ]iに変化はみられなかった. (2)Acetycholine により誘発された[Ca2+ ]iの上昇は atropine の前処置により拮抗された. また, carbachol により[Ca2+ ]iは上昇したが, nicotine は作用を示さなかった. (3)Bradykinin(BK)により[Ca2+ ]iの上昇がみられたが, BK 受容体の B1 agonist である des-Arg9 -BK は作用を示さなかった. 以上の結果, 三叉神経節より初代培養を行った一次知覚神経には H1, muscarinic, B2 受容体が存在し, 痛覚の受容に関与することが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0015-5691 |