抗体で惹起された糸球体メサンギウム障害に対するTJ-8117の効果
抗Thy-1抗体によって惹起されたメサンギウム障害に対するTJ-8117(ツムラ温脾湯)の効果について検討した.実験1.において抗Thy-1血清の静脈内投与後1日目から被検薬物を投与した結果,TJ-8117の400mg/kg/day経ロ投与群ではメサンギウム増殖の発症率ならびにスコア―指数の低下が認められた.また対照群で見られた糸球体核数の増加に対して,TJ-8117の400mg/kg群ならびにプレドニゾロン2mg/kg/day(Pred)経ロ投与群で低下が認められた.糸球体の半月体形成ならびに糸球体係蹄とボウマン嚢との癒着に対してTJ-8117の200ないし400mg/kg群,Pred投与群...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1995, Vol.105(2), pp.63-75 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 抗Thy-1抗体によって惹起されたメサンギウム障害に対するTJ-8117(ツムラ温脾湯)の効果について検討した.実験1.において抗Thy-1血清の静脈内投与後1日目から被検薬物を投与した結果,TJ-8117の400mg/kg/day経ロ投与群ではメサンギウム増殖の発症率ならびにスコア―指数の低下が認められた.また対照群で見られた糸球体核数の増加に対して,TJ-8117の400mg/kg群ならびにプレドニゾロン2mg/kg/day(Pred)経ロ投与群で低下が認められた.糸球体の半月体形成ならびに糸球体係蹄とボウマン嚢との癒着に対してTJ-8117の200ないし400mg/kg群,Pred投与群ならびにジピリダモール400mg/kg/day(Dip)経ロ投与群で改善が認められた.次に実験2.において抗体処置後1日目あるいは4日目からの被検薬物投与による効果を検討した.TJ-8117(400mg/kg)群で尿中タンパク排泄量に対する改善が認められ,糸球体におけるメサンギウム領域の拡大抑制とともにPCNAならびにED-1陽性細胞数の減少が認められた.以上の結果からTJ-8117はメサンギウム障害後のメサンギウム過形成を抑制することよりメサンギウム領域の増生を伴う糸球体傷害に有益となる可能性が暗示された. |
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ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.105.63 |