単一ラット好塩基球性白血病細胞(RBL-2H3)における細胞内カルシウム濃度のオシレーション
[目的]培養ラット好塩基球性白血病細胞(RBL-2H3)では, IgE感作後抗原刺激を行うことによりヒスタミンを遊離する. この現象には, 細胞内カルシウム濃度[Ca2+ ]iの上昇が必須であるが, 今回は, 抗原の濃度を変えて刺激した時に生じるCa2+ シグナルのオシレーション頻度の変化とヒスタミン遊離の関係について検討した. [実験方法]ガラスボトムカルチャーディッュ上で培養した2H3細胞をIgEで感作した後, Indo-1/AMを負荷した. 抗原(DNP-BSA)で刺激したときの蛍光変化をメリディアン社製細胞機能分析・分取装置(ACAS570)を用いて[Ca2+ ]i濃度を求め, 同時に...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1995, Vol.105 (1), p.62-62 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [目的]培養ラット好塩基球性白血病細胞(RBL-2H3)では, IgE感作後抗原刺激を行うことによりヒスタミンを遊離する. この現象には, 細胞内カルシウム濃度[Ca2+ ]iの上昇が必須であるが, 今回は, 抗原の濃度を変えて刺激した時に生じるCa2+ シグナルのオシレーション頻度の変化とヒスタミン遊離の関係について検討した. [実験方法]ガラスボトムカルチャーディッュ上で培養した2H3細胞をIgEで感作した後, Indo-1/AMを負荷した. 抗原(DNP-BSA)で刺激したときの蛍光変化をメリディアン社製細胞機能分析・分取装置(ACAS570)を用いて[Ca2+ ]i濃度を求め, 同時にディッュ内の還流液中に遊離されたヒスタミンをHPLC-蛍光法で測定した. [実験結果]1)外液Ca2+ 存在下では最大のヒスタミン遊離量を示す20ng/ml刺激により, 計測全部の細胞において刺激後10秒後から20秒間隔でオシレーションが持続した. しかし2ng/ml, 0.2ng/mlの刺激ではシグナルを示す細胞はそれぞれ80%,50%と減少した. 2)外液Ca2+ 非存在下では, 抗原20ng/mlで刺激後, 細胞内からの一過性の[Ca2+ ]iの上昇がみられたが, ヒスタミン遊離はなかった. 還流液中にCa2+ を添加すると急速な[Ca2+ ]iの上昇が起こり, 徐々にオシレーションを繰り返しながら80秒前後かかって減少した. Ca2+ の再添加2分後にヒスタミンの遊離量は最大値を示した. [結論]抗原の用量によりCa2+ シグナルのオシレーションの様式が異なり, ヒスタミンの遊離にはオシレーションの持続が重要であることが明らかになった. |
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ISSN: | 0015-5691 |