新規アルドースリダクターゼ阻害剤SX-3201のin vitro組織ソルビトール蓄積抑制作用
【目的及び方法】ソルビトール生成を抑制するアルドースリダクターゼ阻害剤(ARI)は糖尿病合併症(神経障害等)治療への応用が期待されている. ピロロピラジン環を有する新規ARI SX-3201は, 糖尿病ラットヘの経口投与で, 既存ARI(tolrestat, epalrestat, zenarestat)に比べて100~2500倍強い坐骨神経ソルビトール蓄積抑制作用を示す. 本報告では, SX-3201(SX)がこのように強力な経口活性を示す原因を解明するために, in vitroでのAR阻害作用および高濃度グルコース存在下における赤血球・坐骨神経内ソルビトール蓄積抑制作用について, 本化合物...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 【目的及び方法】ソルビトール生成を抑制するアルドースリダクターゼ阻害剤(ARI)は糖尿病合併症(神経障害等)治療への応用が期待されている. ピロロピラジン環を有する新規ARI SX-3201は, 糖尿病ラットヘの経口投与で, 既存ARI(tolrestat, epalrestat, zenarestat)に比べて100~2500倍強い坐骨神経ソルビトール蓄積抑制作用を示す. 本報告では, SX-3201(SX)がこのように強力な経口活性を示す原因を解明するために, in vitroでのAR阻害作用および高濃度グルコース存在下における赤血球・坐骨神経内ソルビトール蓄積抑制作用について, 本化合物と上記の既存ARIとを比較検討した. 【結果】1)SXのブタARに対する阻害作用は既存ARIとほぼ同等であった(IC_50 =0.015μM). 2)SXはラットの赤血球内(IC_50 =0.012μM)および坐骨神経内(IC_50 =0.13μM)ソルビトール蓄積を強く抑制し, その坐骨神経における効力は既存ARIに比べて8~40倍強かった. 3)SXは血漿存在下においても坐骨神経ソルビトール蓄積を強く抑制し(IC_50 =1.28μM), 既存ARIに比べて8~80倍強かった. 4)SXのソルビトール蓄積抑制作用に種差(ラット, サル, ヒト)は認められなかった. 【結論】SX-3201は, 既存ARIに比べて組織移行性, 特に標的組織(神経組織)内への移行性に優れていることが示された. このことが, 本化合物が強い経口活性を示す一つの理由であると考えられる. |
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ISSN: | 0015-5691 |