迷走神経求心繊維刺激による胃運動抑制について
迷走神経求心繊維刺激による胃運動抑制についてその遠心路を検討した. 体重 350-400g のウイスター系雄ラットを約24時間絶食後, urethane麻酔した. 胃運動は胃底部より胃内に挿入したバルーンに圧トランスデューサーを接続して測定した. 胃内へのバルーン挿入時に胃底部を切除し, 胃体部ならびに幽門前庭部の律動的運動を胃運動の指標とした. 迷走神経求心繊維を刺激するため, 右迷走神経を頚部で切断し, その中枢端を電気刺激(2mA, 0.5msec, 5Hz)した. 両側迷走神経切断動物では胃運動が著しく減弱したので, 左迷走神経末梢端を電気刺激して胃運動を惹起した. 左迷走神経が正常な...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1994, Vol.103 (2), p.134-134 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 迷走神経求心繊維刺激による胃運動抑制についてその遠心路を検討した. 体重 350-400g のウイスター系雄ラットを約24時間絶食後, urethane麻酔した. 胃運動は胃底部より胃内に挿入したバルーンに圧トランスデューサーを接続して測定した. 胃内へのバルーン挿入時に胃底部を切除し, 胃体部ならびに幽門前庭部の律動的運動を胃運動の指標とした. 迷走神経求心繊維を刺激するため, 右迷走神経を頚部で切断し, その中枢端を電気刺激(2mA, 0.5msec, 5Hz)した. 両側迷走神経切断動物では胃運動が著しく減弱したので, 左迷走神経末梢端を電気刺激して胃運動を惹起した. 左迷走神経が正常な動物および両側迷走神経切断動物いずれでも迷走神経求心繊維の刺激は胃運動を抑制した. このうち, 両側迷走神経切断動物での胃運動減少は phentolamine(0.1mg/kg 筋肉内投与), 6-hydroxy-dopamine(50mg/kg 静脈内投与, 3日前)いずれの前処置でも消失した. さらに, 左迷走神経が正常な動物で, 迷走神経求心繊維刺激による胃運動減少は bethanechol 静脈内持続注入により惹起した胃運動でも現われ, この胃運動減少は phentolamine(10mg/kg 筋肉内投与)でも変化しなかった. これらの成績から, 迷走神経求心繊維刺激による胃運動抑制には迷走神経の非アドレナリン性抑制性遠心路および大内臓神経などの交感神経を介するα受容体機構の 2つが関与すると考えられる. |
---|---|
ISSN: | 0015-5691 |