高アンモニア血症マウスにおけるフェノバルビタールの最大電撃けいれん抑制作用
ヒトの高アンモニア血症では, けいれん等の中枢神経症状が知られているがその詳細は不明である. 本実験では phenobarbital(PB)の抗けいれん作用に及ぼす高アンモニア血症の影響をマウスを用いて検討した. (方法)ddY雄マウス(10-15週令)に urease 450μmolU/kg を皮下投与し高アンモニア血症マウスを作成した. Urease 投与 24時間後にマウスの耳介に装置した電極より 60Hz, 50mA の電流を 0.2秒間加え最大電撃けいれん(MES)を起こさせた. PB の少量(25-36mg/kg, s.c.)を 60分前に投与し, MES の変化を観察した. (結...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1994, Vol.103 (2), p.131-131 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ヒトの高アンモニア血症では, けいれん等の中枢神経症状が知られているがその詳細は不明である. 本実験では phenobarbital(PB)の抗けいれん作用に及ぼす高アンモニア血症の影響をマウスを用いて検討した. (方法)ddY雄マウス(10-15週令)に urease 450μmolU/kg を皮下投与し高アンモニア血症マウスを作成した. Urease 投与 24時間後にマウスの耳介に装置した電極より 60Hz, 50mA の電流を 0.2秒間加え最大電撃けいれん(MES)を起こさせた. PB の少量(25-36mg/kg, s.c.)を 60分前に投与し, MES の変化を観察した. (結果)高アンモニア血症マウスでは MES の強直性伸展けいれん(TE)は対照マウスに比べ有意な延長が認められた. しかし高アンモニア血症マウスに PB を投与した時の TE持続時間及び TE と強直性屈曲けいれん(TF)の持続時間の比(TE/TF比)は逆に減少し PB の抗けいれん作用の増強が観察された. PB 投与後の脳内 PB量は両群間に差が認められなかった. Urease 投与により血中アンモニア, 脳内トリプトファン(Trp)は対照群に比べ 260%, 及び 187%に増加した. PB の抗けいれん作用に及ぼす Trp代謝産物の影響を検討するために Trp と PB を同時投与すると MES の TE は短縮した. 5-Hydroxytryptophan と PB の併用は TE を変えなかった. Trp代謝物の kynurenic acid と PB の同時投与は TE を有意に短縮した. 以上により高アンモニア血症時の PB抗けいれん作用の増強は, 少なくとも一部に脳内 Trp 及び Trp のキヌレニン系代謝物の増加が関与している可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |