NG108-15細胞におけるブラジキニンおよびカフェイン応答の相互作用

ニューロブラストーマ・グリオーマハイブリッド(NG108-15)細胞におけるブラジキニン(BK)とカフェイン(Caf)応答の相互作用について調べた. ホスホジエステラーゼ阻害剤ロリプラム存在下に分化させた分化型 NG108-15細胞と, 分化処置を行わない未分化型細胞を, ニスタチン・パーフォレイティッドパッチクランプ法により膜電位固定し, イオン電流を測定した. 薬液はマルチバレルピペット法または Y字管法により瞬時に投与した. BK(1μM)と Caf(10mM)は, 分化型および未分化型 NG108-15細胞に一過性の外向き電流とそれに引き続く特異的応答, すなわち BK では長期持続性...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1994, Vol.103 (2), p.121-121
Hauptverfasser: 徳冨直史, 福永浩司, 宮本英七, 西勝英
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:ニューロブラストーマ・グリオーマハイブリッド(NG108-15)細胞におけるブラジキニン(BK)とカフェイン(Caf)応答の相互作用について調べた. ホスホジエステラーゼ阻害剤ロリプラム存在下に分化させた分化型 NG108-15細胞と, 分化処置を行わない未分化型細胞を, ニスタチン・パーフォレイティッドパッチクランプ法により膜電位固定し, イオン電流を測定した. 薬液はマルチバレルピペット法または Y字管法により瞬時に投与した. BK(1μM)と Caf(10mM)は, 分化型および未分化型 NG108-15細胞に一過性の外向き電流とそれに引き続く特異的応答, すなわち BK では長期持続性の内向き電流, Caf では M(ムスカリン閉鎖型 K電流)様電流の抑制を惹起した. 一過性外向き電流において BK と Caf は拮抗的ないし相補的に作用し, 相加的または相乗的変化は観察されなかった. この相互作用は未分化・分化を問わず, 同様に観察された. 一方, 分化型細胞では BK存在下の条件でのみ Caf で惹起される活性化, 不活性化ともに速い一過性の内向き電流が観察された. この一過性電流は外液中の透過性陽イオン除去により消失し, 細胞内 Ca^2+ 濃度に依存した. ホルボールエステルは分化, 未分化を問わず, M様電流抑制と類似した応答を示した. 分化型 NG108-15細胞には BK と Caf の両物質の細胞内信号系の協同作用により活性化される陽イオンチャンネルの存在が示唆された.
ISSN:0015-5691