1,4-ジヒドロピリジンNB-818の鏡像異性体の冠動脈弛緩作用について
1,4-ジヒドロピリジン誘導体 NB-818(NB)の鏡像異性体の Ca^2+ 拮抗作用と結合特性の関係を検討し, nifedipine(NF)と比較した. 【方法】内皮を剥離した幅 1mm のブタ冠動脈リング標本を作成し, 等尺性の張力変化を測定した. また, 受容体結合実験には同血管より調製した膜標品を用いた. 【結果】NB((+),(-),(±)体)及び NF の単独投与は 40mM KCl で収縮させた標本を濃度依存的に弛緩させ, 効力順位は(-)NB>(±)NB>NF>(+)NB であった. しかし, NB は NF と比較して, 最大効果発現までの時間が長く, KCl に対する拮抗...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1994, Vol.103 (1), p.97-97 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1,4-ジヒドロピリジン誘導体 NB-818(NB)の鏡像異性体の Ca^2+ 拮抗作用と結合特性の関係を検討し, nifedipine(NF)と比較した. 【方法】内皮を剥離した幅 1mm のブタ冠動脈リング標本を作成し, 等尺性の張力変化を測定した. また, 受容体結合実験には同血管より調製した膜標品を用いた. 【結果】NB((+),(-),(±)体)及び NF の単独投与は 40mM KCl で収縮させた標本を濃度依存的に弛緩させ, 効力順位は(-)NB>(±)NB>NF>(+)NB であった. しかし, NB は NF と比較して, 最大効果発現までの時間が長く, KCl に対する拮抗作用も頻回の洗浄により回復し難かった. 脱分極性 Ca^2+ -free 溶液中での CaCl_2 による収縮反応は NB, NF の前処置により, 見かけ上競合的に抑制された. 一方, 低濃度の(+)NB は, CaCl_2 による収縮をむしろ増強する傾向を示した. NB, NF は 5-HT, ET-1 による収縮反応を濃度依存的に, 前述と同様の効力順位で抑制した. また, NB, NF は(+)-[^^3 H]PN200-110 の膜標品に対する特異的結合能を濃度依存的に抑制し, pK_i と 40mM KCl 収縮抑制強度(pIC_50 )との間には, 正の相関性が認められた. 【考察】NB の Ca^2+ 拮抗作用の立体選択性は, 1,4-ジヒドロピリジン受容体蛋白への結合能の立体選択性の差に基づく可能性が示唆された. また, 低濃度の(+)NB は Ca^2+ 流入による収縮を増強する性質を有することが示された. |
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ISSN: | 0015-5691 |