数種漢方方剤のラット肝薬物代謝酵素におよぼす影響
黄今を含む漢方方剤の小柴胡湯, 三物黄今湯, 黄連解毒湯のラット肝薬物代謝酵素に対する影響を in vivo で検討した. 7週齢 SD 系雄性ラットを用い, 被検漢方方剤熱水抽出凍結乾燥エキスの 100, 1,000mg/kg を単回あるいは連続2週間経口投与し肝薬物代謝酵素の変化を測定した. 単回投与では APD とアニリン水酸化酵素(ANH)に対して, 小柴胡湯 100mg/kg は APD, ANH 活性を増大させた. 黄連解毒湯 1,000mg/kg では投与後3, 12時間に APD 活性の抑制, 12時間に ANH 活性の抑制を認めた. チトクローム P-450(Cyt.P-45...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1994, Vol.103 (1), p.91-91 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 黄今を含む漢方方剤の小柴胡湯, 三物黄今湯, 黄連解毒湯のラット肝薬物代謝酵素に対する影響を in vivo で検討した. 7週齢 SD 系雄性ラットを用い, 被検漢方方剤熱水抽出凍結乾燥エキスの 100, 1,000mg/kg を単回あるいは連続2週間経口投与し肝薬物代謝酵素の変化を測定した. 単回投与では APD とアニリン水酸化酵素(ANH)に対して, 小柴胡湯 100mg/kg は APD, ANH 活性を増大させた. 黄連解毒湯 1,000mg/kg では投与後3, 12時間に APD 活性の抑制, 12時間に ANH 活性の抑制を認めた. チトクローム P-450(Cyt.P-450), チトクローム b_5 (Cyt.b_5 ), チトクローム c 還元酵素(Cyt.c red.)含量に対して, 小柴胡湯は 100mg/kg で増加傾向を認めた. 三物黄今湯では 1,000mg/kg 投与6時間後に Cyt.P-450, Cyt.b_5 の減少を示し, Cyt.c red.は増加を認めた. 黄連解毒湯は 1,000mg/kg 投与で Cyt.P-450 と Cyt.b_5 の減少を示し, 100mg/kg 投与で Cyt.c red.の増加がみられた. 連続投与では, 黄連解毒湯で APD 活性の抑制, Cyt.P-450 の減少, 小柴胡湯の 100mg/kg と三物黄今湯の 1,000mg/kg で Cyt.c red.の増加, 小柴胡湯で Cyt.b_5 の減少がみられた. 単回投与では主に投与初期の 1-6 時間で肝薬物代謝酵素の変化がみられ, これは投与薬物が直接肝薬物代謝酵素に作用するためと考えられた. しかし, 連続投与による肝薬物代謝酵素の変化は少なく, 単回投与による薬物の作用は蓄積されないものと思われた. |
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ISSN: | 0015-5691 |