ヒト・L-ヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)遺伝子の構造と発現機構
アレルギー性疾患, 胃酸分泌, および神経伝達において, ヒスタミンは重要な情報伝達物質として知られている. ヒスタミンの生体内合成酵素は唯一, L-ヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)であり, したがってその制御機構は非常に興味深い. HDC転写レベルでの調節機序を明らかにするために, HDC遺伝子のクローン化を行なった. HDC遺伝子の構造解析の結果, 本遺伝子は全長約 23Kbであり, その中で全長 2.4Kbをしめる cDNAは12個のエクソンからなることが明らかとなった. これらのエクソンの中で最終エクソンは 1Kbの長さがあった. 次に, RNAの発現機序の解析を行った. まず, 9種類...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1994, Vol.103 (1), p.63-63 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | アレルギー性疾患, 胃酸分泌, および神経伝達において, ヒスタミンは重要な情報伝達物質として知られている. ヒスタミンの生体内合成酵素は唯一, L-ヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)であり, したがってその制御機構は非常に興味深い. HDC転写レベルでの調節機序を明らかにするために, HDC遺伝子のクローン化を行なった. HDC遺伝子の構造解析の結果, 本遺伝子は全長約 23Kbであり, その中で全長 2.4Kbをしめる cDNAは12個のエクソンからなることが明らかとなった. これらのエクソンの中で最終エクソンは 1Kbの長さがあった. 次に, RNAの発現機序の解析を行った. まず, 9種類のヒト白血病由来の細胞株について, HDCcDNA をプローブとして RNAブロットを作成した. その結果, KU-812-F, HEL, KCL-22 の3種類の細胞株で HDCmRNA の発現がみられ, サイズは 2.4Kbと 3.4Kbであった. KU-812-F 細胞由来の cDNAライブラリーから得た HDCの cDNAクローンの塩基配列を解析し, 遺伝子の塩基配列と比較すると, この2種類の mRNAは, 1つの遺伝子より splicing の違いによって形成されることが推察された. splicing の違いとは, すなわち, 3.4Kbの mRNAは 2.4Kbの mRNAに比べ, (1)825base の第7イントロンが splicing out されず, (2)第11イントロンの splicing 時に accepter site の alternative use が起きていた. この2種類の mRNAの生理的役割は詳細には不明であるが, COS細胞で発現させてみると, 2.4Kbの RNA由来のもののみに HDC活性が見いだされた. また, ヒト・ゲノム DNAブロットの結果, HDC遺伝子はゲノム上シングル・コピーであることが強く示唆された. 一方, 遺伝子の調節領域には, GATA配列, CACC box, LBP-1 配列が存在する. 現在, プロモーター領域の機能を解析中である. |
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ISSN: | 0015-5691 |