麻酔犬の全脳完全虚血
麻酔犬における短時間の全脳完全虚血-再灌流モデルにおいて脳血流の低潅流および矢状静脈洞内のトロンボキサンA_2 (TxA_2 )の増加に対するTxA_2 合成酵素阻害薬, CV-4151の作用を検討した. イヌは対照, 非治療, CV-4151(0.3及び1.0mg/kg,i.v.)投与及びOKY-046(10mg/kg,i.v.)投与の5群に組分けた. 非治療群では, 5分間の完全脳虚血-再灌流後, 20~30分間持続する反応性脳充血を生じ, その後血流量は漸減し, 再開2時間後には虚血前の約77%の値であった. さらに, 再開2時間後の局所大脳皮質の水分含量は78.15±0.21%と対照群...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1993, Vol.102 (6), p.413-420 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 麻酔犬における短時間の全脳完全虚血-再灌流モデルにおいて脳血流の低潅流および矢状静脈洞内のトロンボキサンA_2 (TxA_2 )の増加に対するTxA_2 合成酵素阻害薬, CV-4151の作用を検討した. イヌは対照, 非治療, CV-4151(0.3及び1.0mg/kg,i.v.)投与及びOKY-046(10mg/kg,i.v.)投与の5群に組分けた. 非治療群では, 5分間の完全脳虚血-再灌流後, 20~30分間持続する反応性脳充血を生じ, その後血流量は漸減し, 再開2時間後には虚血前の約77%の値であった. さらに, 再開2時間後の局所大脳皮質の水分含量は78.15±0.21%と対照群の76.70±0.07%に比して有意(P<0.01)に上昇していた矢状静脈洞内のTxB_2 の値は虚血前値(133±114pg/ml)に比して, 血流再開30分後の値は8~10倍にまで増加し, 120分後も5倍以上の高値を維持した. CV-4151の0.3mg/kg(i.v.)では, 虚血-再灌流後の脳循環の低潅流を軽度抑制したが, 大脳皮質の水分含量には作用を示さなかった. 1.0mg/kg(i.v.)の用量では, 脳の虚血後低潅流をほぼ完全に抑制し, 皮質の水分含量の増加を有意に抑制した(76.95±0.16%vs78.15±0.21%, P<0.01). さらに, 再灌流後の矢状静脈洞内のTxB_2 の増加をほぼ完全に抑制すると共に, 6-ketoPGF_1α の増加を示した. OKY-046(10mg/kg,i.v.)は, 虚血後の低潅流と皮質の水分含量の増加に有意な影響を与えなかった. これらの成績からCV-4151は, 脳虚血後のTxA_2 の生成を抑制することにより, 虚血-再灌流後の脳循環の低潅流を改善することが示唆された. 全脳完全虚血-再灌流後の脳血流量の持続的な減少を抑制することは, 虚血によって引き起こされる神経脱落症状の進展を抑制するために重要なことと考えられる. |
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ISSN: | 0015-5691 |