アンジオテンシンIIによる脳動脈収縮のhypoxiaによる増強

アンジオテンシンIIおよびサブスタンスPの内皮依存性脳動脈収縮作用がhypoxia下で増強される機構を検討した. (方法)イヌおよびサル脳動脈の内皮が正常なラセン状条片標本を37℃の栄養液中に懸垂し, 95%O_2 -5%CO_2 または95%N_2 -5%CO_2 ガス(hypoxia)を通気し, その等尺性張力変化を記録した. また, 標本を栄養液中にincubateし, SEP-PAK C18カラムを通し, 栄養液中に遊離された6-keto PGF_1 α量をRIA法により測定した. (結果)(1)アンジオテンシンIIおよびサブスタンスPによる収縮は, hypoxiaにより増強されたが,...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1993, Vol.102 (4), p.94-94
Hauptverfasser: 吉田一秀, 安屋敷和秀, 岡村富夫, 戸田昇
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:アンジオテンシンIIおよびサブスタンスPの内皮依存性脳動脈収縮作用がhypoxia下で増強される機構を検討した. (方法)イヌおよびサル脳動脈の内皮が正常なラセン状条片標本を37℃の栄養液中に懸垂し, 95%O_2 -5%CO_2 または95%N_2 -5%CO_2 ガス(hypoxia)を通気し, その等尺性張力変化を記録した. また, 標本を栄養液中にincubateし, SEP-PAK C18カラムを通し, 栄養液中に遊離された6-keto PGF_1 α量をRIA法により測定した. (結果)(1)アンジオテンシンIIおよびサブスタンスPによる収縮は, hypoxiaにより増強されたが, プロスタグランディン(PG)F_2 αによる収縮はhypoxiaの影響を受けなかった. (2)サイクロオキシゲナーゼ阻害薬処置により, ペプチドによる収縮は消失したが, PGF_2 αによる収縮は変化しなかった. (3)アラキドン酸による弛緩は, インドメタシンとhypoxiaにより抑制されたが, PGI_2 誘導体による弛緩はこれらの処置による影響を受けなかった. (4)栄養液中へ遊離される6-keto PGF_1 αの量は, normoxiaでは, アンジオテンシンII処置により有意に増加したが, hypoxia下のアンジオテンシンII処置により有意の影響を受けなかった. (結論)アンジオテンシンIIおよびサブスタンスPによる脳動脈の収縮はhypoxiaにより増強されるが, この増強はhypoxiaによりアラキドン酸からのPGI_2 の合成が障害された結果, 収縮に拮抗するPGI_2 の作用が消失したことに加えて, 血管収縮性プロスタノイドの産生が増加したことによると考えられる.
ISSN:0015-5691