AChによるNO産生には一部Ca++ -storeからのCa++ が関与している
私達はすでにラット胸部大動脈標本におけるAChの弛緩作用の一部はryanodine感受性のCa^++ -storeに依存していることを報告している(第66回日本薬理学会年会). そこで今回血管内皮のCa^++ -storeの役割をより明らかにするため, 栄養液中のCa^++ を除去した条件下(Ca^++ -free条件下)でAChの弛緩作用を指標として検討を行った. 1.Ca^++ -free条件下でAChは一過性の弛緩反応を引き起こした. このAChによる弛緩反応はCa^++ が存在する場合に比べて高濃度を必要とし, かつ最大反応も50%程度であった. またこの時血管のcGMP産生は増大して...
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Zusammenfassung: | 私達はすでにラット胸部大動脈標本におけるAChの弛緩作用の一部はryanodine感受性のCa^++ -storeに依存していることを報告している(第66回日本薬理学会年会). そこで今回血管内皮のCa^++ -storeの役割をより明らかにするため, 栄養液中のCa^++ を除去した条件下(Ca^++ -free条件下)でAChの弛緩作用を指標として検討を行った. 1.Ca^++ -free条件下でAChは一過性の弛緩反応を引き起こした. このAChによる弛緩反応はCa^++ が存在する場合に比べて高濃度を必要とし, かつ最大反応も50%程度であった. またこの時血管のcGMP産生は増大していた. 2.NO pathway阻害剤や内皮の除去はAChによる弛緩およびcGMP産生を抑制した. 3. Calmodulin inhibitorであるcalmidazoliumはAChによる弛緩およびcGMP産生を著しく抑制した. 4. Ca^++ -free条件下でAChの弛緩作用を観察した後, 通常のCa^++を含む栄養液中に静置しておき, 再びCa^++ -free条件下にした場合は前回と同じ様にAChによる弛緩が観察された. ところがAChを適用した後Ca^++ -free条件下に静置しておくと, AChによる弛緩は発現しなかった. この結果は, Ca^++ -storeはAChの刺激によって枯渇するが, 細胞外のCa^++ を取り込むことにより再び充填されることを示している. 5. 小胞体のCa^++ -ATPaseを阻害するcyclopiazonic acidはCa^++ -free条件下におけるAChの弛緩作用を消失させた. またAChによるcGMP産生の増大も著しく抑制した. 以上の結果からCa^++ -free条件下でのAChの弛緩作用は, constitutive typeのNO synthaseを介したNO産生によるものであり, 内皮に存在するCa^++ -storeからのCa^++ 遊離によるものであることが示唆された. さらにこの内皮に存在するCa^++ -storeはcyclopiazonic acidにより影響を受けることから小胞体であると考えられる. |
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ISSN: | 0015-5691 |