ラット中大脳動脈血栓症モデルにおける抗血小板薬および抗トロンビン薬の血栓予防効果

ラット中大脳動脈血栓モデルを利用し, 抗血小板薬であるVapirost(Va, thromboxane A_2 (TXA_2 )拮抗剤)とClopidogrel(Clo, ADP凝集抑制剤)および抗トロンビン剤であるArgatroban(Ar)と抗凝固剤であるヘパリンの血栓形成予防効果を検討した. Wistar雄性ラットを使用し, ドリルにて頭蓋底の骨を削り, 左中大脳動脈の本幹を手術用顕微鏡下に観察し, 緑色光を照射した. レーザードップラー血流計にて中大脳動脈の血流をモニターした. 静脈内にローズベンガル(RB,20mg/kg)を投与し, 血栓にて血流が停止するまでの時間を測定した. Va...

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Hauptverfasser: 梅村和夫, 川井洋, 登嶋嘉則, 植松俊彦, 中島光好
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ラット中大脳動脈血栓モデルを利用し, 抗血小板薬であるVapirost(Va, thromboxane A_2 (TXA_2 )拮抗剤)とClopidogrel(Clo, ADP凝集抑制剤)および抗トロンビン剤であるArgatroban(Ar)と抗凝固剤であるヘパリンの血栓形成予防効果を検討した. Wistar雄性ラットを使用し, ドリルにて頭蓋底の骨を削り, 左中大脳動脈の本幹を手術用顕微鏡下に観察し, 緑色光を照射した. レーザードップラー血流計にて中大脳動脈の血流をモニターした. 静脈内にローズベンガル(RB,20mg/kg)を投与し, 血栓にて血流が停止するまでの時間を測定した. VaとヘパリンはRB投与10分前に, Cloは2時間前に静脈内投与した. Arは持続静脈内投与した. VaおよびCloは用量依存的に血栓形成時間を延長した. Arは用量依存的に血栓形成時間を延長したが, ヘパリンは凝固時間を有意に延長する用量でも, 血栓形成時間を延長しなかった. このラット中大脳動脈血栓モデルにおける血栓形成にはTXA_2 およびADPによる血小板凝集が大きく関与しているが, さらにトロンビンが血栓形成に関与していることが示唆された.
ISSN:0015-5691