分化した気道上皮細胞に対するモノクローナル抗体の作製とその応用

【目的】気道上皮が分化増殖の活発な組織であることはよく知られているがその機序については殆ど不明である. しかしその解明は気道の病態生理の解明や新しい気道系作用薬の開発にとって不可欠である. 本研究ではその第1歩として粘液分泌細胞へと分化した培養ハムスター気道上皮細胞に対するモノクローナル抗体を作製するとともに, この抗体の生体組織への免疫組織化学的応用を試みた. 【方法】抗原には当研究室で粘液分泌細胞モデルとして確立したハムスター気道上皮細胞を用い, 抗体作製は常法に従い行った. 得られた抗体のキャラクタリゼーションとして, サブクラスの決定及びウェスタンイムノブロッティングを行った. 免疫組...

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Hauptverfasser: 濱村一郎, 甲斐広文, 吉武和久, 礒浜洋一郎, 高浜和夫, 宮田健, 中野菜穂子, 森安真津子, 石井三和子, 一鬼勉
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】気道上皮が分化増殖の活発な組織であることはよく知られているがその機序については殆ど不明である. しかしその解明は気道の病態生理の解明や新しい気道系作用薬の開発にとって不可欠である. 本研究ではその第1歩として粘液分泌細胞へと分化した培養ハムスター気道上皮細胞に対するモノクローナル抗体を作製するとともに, この抗体の生体組織への免疫組織化学的応用を試みた. 【方法】抗原には当研究室で粘液分泌細胞モデルとして確立したハムスター気道上皮細胞を用い, 抗体作製は常法に従い行った. 得られた抗体のキャラクタリゼーションとして, サブクラスの決定及びウェスタンイムノブロッティングを行った. 免疫組織化学的検討は正常及び気管支炎ハムスターの凍結組織切片を用いた酵素抗体法により行った. 【結果】抗原細胞に対する4種類のモノクローナル抗体, 1E6, 1E8, 2D10, 4D11を得た. 抗体のサブクラスは全てIgG1 であった. ウェスタンイムノブロッティングおよび免疫組織化学的検討の結果, 2D10のみが抗原細胞の持つ約90kDaの物質を認識し, 正常及び気管支炎ハムスターの気管支上皮に強い反応を示した. しかし気管支, 腸管上皮等には殆ど反応しなかった. これらの結果より抗原に用いた本細胞は分化増殖の活発な生体の気管上皮を反映し得るモデルであることが示唆された.
ISSN:0015-5691