ニューロナルCaチャンネル制御系のアゴニスト特異性に関する基礎的研究

哺乳動物中枢神経細胞のhigh-voltage-activated Ca電流(hva-ICa )制御系のアゴニスト特異性について調べた. 18日目ラット胎児海馬より単離したCAl細胞を成長因子類を含まないEagle's-MEM中で培養し, 通常のpatch-clamp法(whole cell recording)によりhva-ICa を記録した. モノアミン, アミノ酸, ペプタイドおよびアデノシンを含む各種アゴニストはマルチバレルピペット法(Carbone&Lux 1987)を用いて瞬時投与した. 培養初期(3日以内)にhva-ICa はAChとGABA及びbaclofenにより抑...

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Hauptverfasser: 徳冨直史, 西勝英
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:哺乳動物中枢神経細胞のhigh-voltage-activated Ca電流(hva-ICa )制御系のアゴニスト特異性について調べた. 18日目ラット胎児海馬より単離したCAl細胞を成長因子類を含まないEagle's-MEM中で培養し, 通常のpatch-clamp法(whole cell recording)によりhva-ICa を記録した. モノアミン, アミノ酸, ペプタイドおよびアデノシンを含む各種アゴニストはマルチバレルピペット法(Carbone&Lux 1987)を用いて瞬時投与した. 培養初期(3日以内)にhva-ICa はAChとGABA及びbaclofenにより抑制された. 一方7日目を過ぎるとnorepinephrine, enkephalin, 5-HT, 2-chloradenosin, dynorphinおよびsomatostatinもhva-ICa 抑制作用を示すようになった. これらのアゴニスト群によるhva-ICa 抑制作用はアゴニスト濃度に依存し, その最大値はいずれのアゴニストを用いても最大振幅の50%を越えることがなく, 単独投与で最大抑制を発現する濃度の複数のアゴニストを併用してもhva-ICa 抑制効果は単独投与による最大抑制を越えることがなかった. また改良型patch-champ法を用いてピペット内にグアノシン誘導体GDPβS(100μM)を潅流すると上記アゴニストはhva-ICa 抑制効果を失い, 一方GTPγS(10μM)はアゴニスト様のICa 抑制作用を示した. さらに, hva-ICa のうち上記アゴニストによって抑制される成分はω一conotoxinによって抑制される成分と一致した. 以上より成長因子無添加環境で培養された海馬CA1細胞内hva-ICa はω一conotoxin感受性成分と非感受性成分からなりω一conotoxin感受性成分は共通のGTP結合蛋白を介して多種のアゴニストによって抑制されることが示された.
ISSN:0015-5691