顎間固定ストレスとDiazepamの影響

顎間固定(intermaxillary fixation:IMF)は現在, 口腔外科領域において有用な治療法の1つとされているが, 治療にともなって生じる日常生活の制約(自由に食べれない, 喋れない)は患者にとって, 大きなストレスとなっている. これまで我々は, ストレスによってラットの様々な脳部位でnoradrenaline(NA)放出亢進が起こることを報告してきた. 同様に, 顎間固定によって起こるNA放出亢進がdiazepamによってどのような影響があるかを検討した. 実験はすべてWistar系雄性ラット(190~230g)を用いた. 顎間固定は, ラットをpentobarbital(...

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Hauptverfasser: 古賀千尋, 江本浩幸, 石井秀夫, 吉田真美, 田中正敏, 亀山忠光
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:顎間固定(intermaxillary fixation:IMF)は現在, 口腔外科領域において有用な治療法の1つとされているが, 治療にともなって生じる日常生活の制約(自由に食べれない, 喋れない)は患者にとって, 大きなストレスとなっている. これまで我々は, ストレスによってラットの様々な脳部位でnoradrenaline(NA)放出亢進が起こることを報告してきた. 同様に, 顎間固定によって起こるNA放出亢進がdiazepamによってどのような影響があるかを検討した. 実験はすべてWistar系雄性ラット(190~230g)を用いた. 顎間固定は, ラットをpentobarbital(50mg/kg i.p)にて麻酔処置後, レジン系接着剤にて, 上下前歯を接着しておこなった. 覚醒後, 24時間後に断頭を行ない, 頸部より採血するとともに, 脳を摘出し, 後日脳各部位の3-methoxy-4-hy-droxyphenyleneglycol sulfate(MHPG-SO4 )含量及び血漿コルチコステロン含量を蛍光法にて測定した. diazepam投与群は, 2mg/kgと5mg/kgを8時間毎に, 2回腹腔内投与した. その結果, 顎間固定により増加したMHPG-SO4 含量は, diazepam投与により, 視床下部, 大脳皮質, 橋+延髄で有意に減弱された. 血漿コルチコステロン含量の増加もdiazepamにより減弱された, よって臨床において顎間固定などの治療の際, diazepamなどの坑不安薬の使用が有用である可能性が示唆された.
ISSN:0015-5691