脳内投与α-カルシトニン遺伝子関連ペプチドの血液カテコールアミン値および血圧に及ぼす影響
α-カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の脳室内投与が血液ノルアドレナリン値(NA), 心拍数および血圧を上昇することは既に報告されている(Fisher et aL, Nature 1983). しかし, その作用機序および作用部位については未知の点が多い. そこで今回, 視床下部諸核内に微量投与したCGRPの血液カテコールアミン値(CA)および血圧に及ぼす影響を, ウレタン麻酔下のラットを用いて検討した. CAはアルミナ吸着法に従って抽出したのち, 高速液体クロマトグラフィーを用いて電気化学的に測定した. CGRP(0.05,0.25nmol)を室傍核内に投与すると, NAのみが用量依...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | α-カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の脳室内投与が血液ノルアドレナリン値(NA), 心拍数および血圧を上昇することは既に報告されている(Fisher et aL, Nature 1983). しかし, その作用機序および作用部位については未知の点が多い. そこで今回, 視床下部諸核内に微量投与したCGRPの血液カテコールアミン値(CA)および血圧に及ぼす影響を, ウレタン麻酔下のラットを用いて検討した. CAはアルミナ吸着法に従って抽出したのち, 高速液体クロマトグラフィーを用いて電気化学的に測定した. CGRP(0.05,0.25nmol)を室傍核内に投与すると, NAのみが用量依存的に増加したが, アドレナリン値(AD)は変化しなかった. CGRP(0.05nmol)の視索前野, 前側核, 背内側核および腹内側核内投与でも, 同様にNAのみの増加がみられた. これらCGRPを投与した動物のうち, 血圧が有意に上昇したのは室傍核内投与の場合のみであった. CGRP(0.05nmol)の外側核と後側核内投与では, CAは変化しなかった. 室傍核内投与CGRP(0.05nmol)によるNAの増加は両側副腎摘除によっても影響されなかった. 室傍核を電気刺激(10Hz, 0.5mA, 2ms, 10min)すると, NA及びADは共に有意に増加した. 6-ハイドロキシドパミンによる化学的交感神経切除は, この室傍核電気刺激時のNA増加のみを選択的に遮断した. 以上の結果より, 室傍核には交感神経系と副腎髄質系を賦活する2つの系が存在すること, さらにCGRPは交感神経系のみを選択的に賦活することが示唆される. |
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ISSN: | 0015-5691 |