Conditioned fearによるラットの不動状態に対するclomipramineの作用

逃避不能なfoot-shockを体験したラットを24時間後に再び同じ装置内に入れると, freezing behavior, 脱糞, 排尿, 立毛が発現する(Fanselow, 1980). また, 同時にストレス負荷時にみられる生化学的変化が観察される(井上ら, 1991). この状態は, foot-shockと関連した手掛かりにより条件付けられた恐怖反応(conditioned fear)と考えられている. このモデルは抗不安薬の評価モデルとして用いられたが, 本演題ではconditioned fearによるラットの不動状態をpanic disorderの病態モデルとしての観点から, 逃避...

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Hauptverfasser: 原千高, 高木俊治, 橋本伸二, 小川暢也
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:逃避不能なfoot-shockを体験したラットを24時間後に再び同じ装置内に入れると, freezing behavior, 脱糞, 排尿, 立毛が発現する(Fanselow, 1980). また, 同時にストレス負荷時にみられる生化学的変化が観察される(井上ら, 1991). この状態は, foot-shockと関連した手掛かりにより条件付けられた恐怖反応(conditioned fear)と考えられている. このモデルは抗不安薬の評価モデルとして用いられたが, 本演題ではconditioned fearによるラットの不動状態をpanic disorderの病態モデルとしての観点から, 逃避可能な条件を加味して, 不動状態に対するclomipramineの作用をdiazepamと比較検討した. 【方法】実験には8週齢のWistar系雄性ラット(Jcl)を用い, 実験は明期の10:00-16:00に行った. 実験装置は, 明室と暗室に分けられたtwo compartment shuttle boxを用いた. 動物を3日間装置に慣らした後, ギロチン・ドアを閉じ, 明室で3mA,5secのfoot-shockを30秒間隔で2回与え, これを3日間行った. Foot-shock期間最終日の翌日にギロチン・ドアを開け, 暗室へ逃避可能な状態とし, 明室にラットを入れ, その直後より不動状態の持続時間および暗室へ入るまでの時間を5分cutt-offで測定した. この際, 5分以上不動状態を持続したラットについてその翌日より薬物投与実験を開始した. 薬物はclomipramine(CMP;15,30mg/kg)とdiazepam(DZP;2,5mg/kg)を用い, 連日経口投与した. 行動観察は薬物投与開始後1, 3, 5, 7日目に薬物投与後1時間後に行った. 【結果, 考察】薬物コントロール群(Vehicle)は, ほぼ1週間不動状態を持続した. CMP,DZPとも, コントロール群との間に有意差は見られなかったが, CMPは薬物投与前値と比べ3日目より不動状態の有意な短縮を示し, DZPは7日目であった. この結果は, panic disorderに見られるCMPのpanic attack改善作用, diazepamの予知不安改善作用と類似していると考えられる.
ISSN:0015-5691