活性型ビタミンB1のドーパミン遊離に対する影響:脳透析法による検討
ビタミンB1であるチアミン(T)は, ピルビン酸脱水素酵素などの補酵素である. 近年, リン酸チアミン(TPs)がシビレエイの電気器官や脳神経細胞に高濃度に存在するとともにそのレベルが神経刺激により変動することが明らかとなり, Tの活性型と考えられるTPs(チアミン一リン酸(TMP), チアミン二リン酸(TDP)およびチアミン三リン酸(TTP))が神経機能の調節に関与している可能性が示唆されている. そこで, 本研究では, 神経系におけるTPsの作用を明らかにするため, 脳透析法を用いてラット線条体におけるドーパミン(DA)遊離に対するTおよびTPsの影響を検討した. TおよびTPsを灌流液中...
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Zusammenfassung: | ビタミンB1であるチアミン(T)は, ピルビン酸脱水素酵素などの補酵素である. 近年, リン酸チアミン(TPs)がシビレエイの電気器官や脳神経細胞に高濃度に存在するとともにそのレベルが神経刺激により変動することが明らかとなり, Tの活性型と考えられるTPs(チアミン一リン酸(TMP), チアミン二リン酸(TDP)およびチアミン三リン酸(TTP))が神経機能の調節に関与している可能性が示唆されている. そこで, 本研究では, 神経系におけるTPsの作用を明らかにするため, 脳透析法を用いてラット線条体におけるドーパミン(DA)遊離に対するTおよびTPsの影響を検討した. TおよびTPsを灌流液中に添加すると, 透析液中DA量は濃度依存性に増加した. T, TDP, TTPによる増加はほぼ同程度であり, TMPによる増加はこれらに比べて低かった. TTPによる増加は投与後20分以内に最大となったが, TならびにTDPによる増加は投与後40分で最大となった. TTPによる透析液中DA量の増加は, テトロドトキシンにより抑制された. TおよびTPsはドーパミン生合成に影響を与えなかった. 以上の結果より, TTPは(TDPならびにTはTTPに変換された後), DAのexocytotic releaseを直接促進することが示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |