カルシウム結合蛋白質“カルサイクリン”と新しいアネキシン(XI)との特異的結合について

カルシウム結合蛋白質は細胞内のカルシウム情報伝達系において重要な役割を果たしていると考えられている. 我我はこれまでカルシウム→カルサイクリン→CAP-50という新しいカルシウム情報伝達系について検討してきた. 今回, このカルサイクリンとCAP-50との結合の特異性について検討したので報告する. CAP-50はその一次構造や生理活性からアネキシンという蛋白質群に属するため, 数種のアネキシンを精製し, 125 I-カルサイクリンゲルオーバーレイ法ならびにリン脂質共沈法によりカルサイクリンとの結合性を検討した. その結果カルサイクリンはCAP-50とのみカルシウム依存的に結合することが判明した...

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Hauptverfasser: 南裕幸, 水谷顕洋, 徳光浩, 日高弘義
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:カルシウム結合蛋白質は細胞内のカルシウム情報伝達系において重要な役割を果たしていると考えられている. 我我はこれまでカルシウム→カルサイクリン→CAP-50という新しいカルシウム情報伝達系について検討してきた. 今回, このカルサイクリンとCAP-50との結合の特異性について検討したので報告する. CAP-50はその一次構造や生理活性からアネキシンという蛋白質群に属するため, 数種のアネキシンを精製し, 125 I-カルサイクリンゲルオーバーレイ法ならびにリン脂質共沈法によりカルサイクリンとの結合性を検討した. その結果カルサイクリンはCAP-50とのみカルシウム依存的に結合することが判明した(J.Biol.Chem.267,8919-8924,1992). 一方, カルサイクリンはEF-hand型カルシウム結合蛋白質に属し, これらは一次構造上非常に類似しているため, EF-handを有する数種のカルシウム結合蛋白質とCAP-50との結合性をリン脂質共沈法により検討した. その結果, カルサイクリンのみがCAP-50に結合するという結果が得られた. この二つの結果によりカルサイクリンとCAP-50との結合はカルシウム依存的かつ特異的な結合であることが示唆された.
ISSN:0015-5691