培養副腎髄質細胞からのカテコールアミン遊離に対するビオプテリン補酵素の影響

6R-テトラヒドロビオプテリン(6R-BH4 )は, 芳香族アミノ酸水酸化酵素の補酵素であり, カテコールアミン合成を調節していると考えられている. 我々は, 中枢においては6R-BH4 が補酵素作用に加えて, 神経活動に依存したドーパミン遊離(開口分泌)を直接促進する作用を有することを報告した. 今回, 末梢における6R-BH4 の作用を明らかにする目的で, 培養牛副腎髄質細胞を用いてノルアドレナリン(NA)及びアドレナリン(Ad)の合成及び遊離に対する6R-BH4 の影響を検討した. 牛副腎髄質細胞において, 6R-BH4 はNA及びADの合成及び遊離を濃度依存的に増加させた. チロシン水...

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Hauptverfasser: 高木泰孝, 伊藤昌広, 大植鉄也, 城戸常雄, 越村邦夫, 三輪聡一, 眞崎知生
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:6R-テトラヒドロビオプテリン(6R-BH4 )は, 芳香族アミノ酸水酸化酵素の補酵素であり, カテコールアミン合成を調節していると考えられている. 我々は, 中枢においては6R-BH4 が補酵素作用に加えて, 神経活動に依存したドーパミン遊離(開口分泌)を直接促進する作用を有することを報告した. 今回, 末梢における6R-BH4 の作用を明らかにする目的で, 培養牛副腎髄質細胞を用いてノルアドレナリン(NA)及びアドレナリン(Ad)の合成及び遊離に対する6R-BH4 の影響を検討した. 牛副腎髄質細胞において, 6R-BH4 はNA及びADの合成及び遊離を濃度依存的に増加させた. チロシン水酸化酵素の阻害剤であるα-メチル-p-チロシン前処置によりNA及びAD遊離の増加は完全に抑制された. また, 6R-BH4 による遊離増加は, 電位依存性Na+ (テトロドトキシン)及びCa2+ (NKY-722)チャンネル阻害剤により影響を受けなかった. 以上の結果から, 6R-BH4 は末梢においてもカテコールアミン合成及び遊離を増加させるが, 中枢と異なり末梢では, 6R-BH4 による遊離増加は主として合成増加による二次的なものであり, また, 神経活動に依存しない非開口分泌であることが明らかとなった.
ISSN:0015-5691