ウシ副腎皮質細胞におけるコルチコイド産生に及ぼすリドカインの抑制効果
初代培養ウシ副腎皮質細胞を使用し, リドカインの副腎皮質コルチコイド産生に対する直接的な影響を検討した. ホルモン産生刺激としては, ACTH, dibutyryl-cAMP(db-cAMP), もしくはエピネフリンを用いた. 濃度は, 抗不整脈薬としての有効血漿中濃度上限である5μg/ml, 及び中毒域と考えられる10μg/mlを用いた. リドカインは, ACTH, もしくはdb-cAMPにより惹起されたコルチコイド産生を有意に抑制した. しかし, 外液中よりCa^2+ を除去した場合には, 両刺激により惹起されたコルチコイド産生に対して影響を与えなかった. 又, エピネフリンにより惹起され...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 初代培養ウシ副腎皮質細胞を使用し, リドカインの副腎皮質コルチコイド産生に対する直接的な影響を検討した. ホルモン産生刺激としては, ACTH, dibutyryl-cAMP(db-cAMP), もしくはエピネフリンを用いた. 濃度は, 抗不整脈薬としての有効血漿中濃度上限である5μg/ml, 及び中毒域と考えられる10μg/mlを用いた. リドカインは, ACTH, もしくはdb-cAMPにより惹起されたコルチコイド産生を有意に抑制した. しかし, 外液中よりCa^2+ を除去した場合には, 両刺激により惹起されたコルチコイド産生に対して影響を与えなかった. 又, エピネフリンにより惹起されたコルチコイド産生に対しては, 10μg/mlの場合にのみ抑制的影響を与えた. 本実験に用いた濃度において, リドカインは主として副腎皮質細胞内へのCa^2+ 流入を阻害することによりコルチコイド産生を抑制すると考えられ, 細胞内に対する影響は少ないと推察される. 一方, リドカインは, 有効血漿中濃度として1-5μg/mlが必要であることより, 臨床的に副腎皮質のホルモン産生能に対して影響を与えている可能性も考えられる. |
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ISSN: | 0015-5691 |