遅発性ジスキネシアモデルラットに対するセルレインの作用

遅発性ジスキネジア(TD)は, 抗精神病薬の長期服用による主に口周囲の不随意運動で, 難治の副作用として知られている. 今回我々は, ウイスター系雄性ラットにエナント酸フルフェナジン25m/kgを3週毎に10回筋肉内投与して作製したTDモデルラット(TDR)を用いて, TDの機序及び臨床治検でTDにであるとされているセルレインの作用機序を検索した. TDRでは, teeth chattering, licking, chewing, opening of mouth, perioral tremor等の口周囲異常運動を認め, perioral tremorは8Hzの咬筋筋運動放電として捉えられ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 斉藤利和, 芦沢健, 八田優子, 小沢寛樹, 中谷洋子, 高畑直彦
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:遅発性ジスキネジア(TD)は, 抗精神病薬の長期服用による主に口周囲の不随意運動で, 難治の副作用として知られている. 今回我々は, ウイスター系雄性ラットにエナント酸フルフェナジン25m/kgを3週毎に10回筋肉内投与して作製したTDモデルラット(TDR)を用いて, TDの機序及び臨床治検でTDにであるとされているセルレインの作用機序を検索した. TDRでは, teeth chattering, licking, chewing, opening of mouth, perioral tremor等の口周囲異常運動を認め, perioral tremorは8Hzの咬筋筋運動放電として捉えられた. またTDRでは, 線条体ドーパミンD1及びD2受容体, 更にadenylate cyclase活性(AC活性)の増加を認めた. セルレイン100ug/kg/日, 3日間腹腔内投与後, 口周囲異常運動は著名に減少し, 筋電図上も同じ傾向を示した. また線条体Dl受容体数は正常化し, グアニンヌクレオチド刺激によるAC活性の増加率の減少を示した. これらの効果は, 6日間持続した. これらの所見から, セルレチドはTDRの線条体D1受容体に特異的に作用しており, 線条体D1受容体の機能はTDの発生機序を考える場合, 重要な役割を演じていることが示唆された.
ISSN:0015-5691