血管平滑筋由来のNO産生はCa^2+ ・calmodulin非依存性である
内皮を損傷させたラット胸部大動脈においてL-Arginine(Arg)から平滑筋由来のNO(muscle-derived nitric oxide; MDNO)が産生され, 弛緩を引き起こすことを我々は既に報告している(Blood Vessels., 27,48,1990; Br.J.Pharmacol., 102,841,1991). さらにこの弛緩は時間の経過に伴って増大し, actinomycin D, cyclohexamideあるいはglucocorticoidsにより抑制されている. 従って平滑筋においてNO synthaseが誘導された結果ArgからMDNOの産生が起こり血管が弛...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1992, Vol.100 (2), p.44-44 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 内皮を損傷させたラット胸部大動脈においてL-Arginine(Arg)から平滑筋由来のNO(muscle-derived nitric oxide; MDNO)が産生され, 弛緩を引き起こすことを我々は既に報告している(Blood Vessels., 27,48,1990; Br.J.Pharmacol., 102,841,1991). さらにこの弛緩は時間の経過に伴って増大し, actinomycin D, cyclohexamideあるいはglucocorticoidsにより抑制されている. 従って平滑筋においてNO synthaseが誘導された結果ArgからMDNOの産生が起こり血管が弛緩したものと推測した(第65回日本薬理学会総会). 最近NO synthaseには種々のisoformが存在することが報告されている. そこで今回, 血管平滑筋において誘導されるNO synthaseがCa^2+ ・calmodulin依存性であるかどうか検討した. 1.Calmodulin阻害剤であるcalmidazolium(CMZ)とW-7はArgによる弛緩反応に影響を与えなかった. 一方内皮細胞に存在するNO synthaseを介したAChやATPの弛緩作用はCMZとW-7により濃度依存的に抑制された. 2.AChによるcyclic GMP産生はCMZによって顕著に抑制されたが, Argによるcyclic GMP産生の増大はCMZにより影響を受けなかった. 3. 栄養液中のCa^2+を除去してもArgによるcyclic GMP産生は変化しなかった. しかしAChによるcyclic GMP産生は栄養液中のCa^2+ を除去することによって著しく減少した. 以上血管平滑筋において誘導されるNO synthaseは内皮細胞に存在するNO synthaseとは異なりCa^2+ ・calmodulin非依存性であると考えられる. |
---|---|
ISSN: | 0015-5691 |