針鎮痛およびオピオイドペプチド鎮痛に及ぼすペプチダーゼ阻害剤の影響
針鎮痛発現における内因性オピオイドペプチドの関与を検討する目的で, 通電針刺激(合谷, 0.1msec, 3Hz, 45分間), メチオニンエンケファリン(Met-Enk; 50μg), β-エンドルフィン(β-End; 5μg)およびダイノルフィン1-13(Dyn; 15μg)の鎮痛作用に及ぼすペプチダーゼ阻害剤(PI)の影響を, SD系雄性ラットを用いて比較検討した. PIは, 3種の混合液(アマスタチン, カプトプリル, フォスフォラミドンそれぞれ1.8×10^-4 M)を実験開始10分前に脳室内(icv; 10μl)または脊髄腔内(it; 5μl)投与した. オピオイドペプチドはicv...
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Zusammenfassung: | 針鎮痛発現における内因性オピオイドペプチドの関与を検討する目的で, 通電針刺激(合谷, 0.1msec, 3Hz, 45分間), メチオニンエンケファリン(Met-Enk; 50μg), β-エンドルフィン(β-End; 5μg)およびダイノルフィン1-13(Dyn; 15μg)の鎮痛作用に及ぼすペプチダーゼ阻害剤(PI)の影響を, SD系雄性ラットを用いて比較検討した. PIは, 3種の混合液(アマスタチン, カプトプリル, フォスフォラミドンそれぞれ1.8×10^-4 M)を実験開始10分前に脳室内(icv; 10μl)または脊髄腔内(it; 5μl)投与した. オピオイドペプチドはicv投与とし, 鎮痛作用は後肢加圧法に従って測定した. (1)PIのicvおよびit単独投与は, 痛覚閾値に影響を及ぼさなかった. (2)通電針刺激により45分後を最大とする鎮痛作用を認め, PIのicvまたはit前投与はこの作用に著明な影響を及ぼさなかった. (3)Met-Enk単独では痛覚閾値上昇を認めなかったが, PIのicv前投与により, 投与15分後を最大とする明らかな鎮痛作用を認めた. PIのit前投与によってもicv前投与と同様の鎮痛作用を認めた. (4)β-End単独では投与15分後を最大とする一過性の鎮痛作用を認めた. PIのicv前投与により鎮痛作用の最大値は増強し, その持続も延長した. PIのit前投与によって鎮痛作用の最大植が増強した. (5)Dyn単独では痛覚閾値上昇を認めなかったが, PIのit前投与によりDyn投与15分後を最大とする一過性の明らかな鎮痛作用を認めた. しかし, PIのicv前投与では, 痛覚閾値上昇を認めなかった. 以上の結果より, 通電針鎮痛には, supraspinal siteにおけるMet-Enk, β-EndおよびDynが関与しないことが示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 |