海馬コリン作動性神経におけるアセチルコリン遊離自己抑制機構の検討:特にnitric oxide産生系の関与の可能性について

本研究ではACh遊離自己抑制機構の活性化に対するChE阻害薬の作用を検討し, さらに細胞内cGMPレベルを上昇させた場合の影響と, nitricoxide(NO)産生系およびNO関連化合物の作用に関しても検討を加えた. 〔方法〕Wistar系雄性ラット(8-10週齢)より海馬切片を調製し, 人工脳脊髄液で灌流して灌流液中のAChをRIAにより測定した. 薬物は灌流液に溶解して投与した. 〔結果・考察〕フィゾスチグミン(PHY)により灌流液中のACh量は約8倍に増加した. しかし, 電気刺激誘発のACh遊離に対するアトロピンの増強作用はPHY存在の有無の間で差はみられなかった. したがってACh...

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Hauptverfasser: 鈴木岳之, 野中光, 藤本和子, 川島紘一郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:本研究ではACh遊離自己抑制機構の活性化に対するChE阻害薬の作用を検討し, さらに細胞内cGMPレベルを上昇させた場合の影響と, nitricoxide(NO)産生系およびNO関連化合物の作用に関しても検討を加えた. 〔方法〕Wistar系雄性ラット(8-10週齢)より海馬切片を調製し, 人工脳脊髄液で灌流して灌流液中のAChをRIAにより測定した. 薬物は灌流液に溶解して投与した. 〔結果・考察〕フィゾスチグミン(PHY)により灌流液中のACh量は約8倍に増加した. しかし, 電気刺激誘発のACh遊離に対するアトロピンの増強作用はPHY存在の有無の間で差はみられなかった. したがってACh遊離自己抑制機構の活性化にはChE阻害等による細胞外ACh濃度の異常上昇は必ずしも必要ではない可能性が示唆された. ジブチリルcGMPはアトロピン存在下で刺激誘発のACh遊離を有意に抑制した. NO産生を抑制するN^G -ニトロ-L-アルギニンはACh遊離自己抑制機構に影響を与えなかった. また, ニトロプルシド, ニトログリセリンはいずれも電気刺激誘発のACh遊離を抑制しなかった. 以上のことより, 細胞内cGMP濃度の上昇はACh遊離を抑制するが, 中枢神経系ではムスカリン受容体刺激-NO産生-可溶性グアニリルサイクレース活性化という過程がACh遊離自己抑制機構に関与している可能性はないことが示唆された.
ISSN:0015-5691