ウサギ門脈平滑筋細胞の Ca依存性 K電流に対するネオマイシン及びヘパリンの効果
持続的な脱分極をウサギ単離門脈平滑筋細胞に与えると持続性外向電流の上に振動性外向 K電流(Ioo)が重畳する. この Ioo は細胞内貯蔵部位からの Ca遊離と密接な関係があると考えられる. そこで今回私達は膜脱分極による Ioo の発生機構を調べる目的で Ioo に対するペパリンとネオマイシンの効果について検討した. 細胞内に投与したヘパリンは 1μg/ml以上の濃度で Ioo の発生頻度を抑制したが, Ioo の振幅には影響を与えなかった. 10μg/ml のヘパリンはノルアドレナリンで誘発された一過性外向電流を抑制したが, カフェインにより誘発された Ioo には全く影響を与えなかった....
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1992, Vol.99 (2), p.41-41 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 持続的な脱分極をウサギ単離門脈平滑筋細胞に与えると持続性外向電流の上に振動性外向 K電流(Ioo)が重畳する. この Ioo は細胞内貯蔵部位からの Ca遊離と密接な関係があると考えられる. そこで今回私達は膜脱分極による Ioo の発生機構を調べる目的で Ioo に対するペパリンとネオマイシンの効果について検討した. 細胞内に投与したヘパリンは 1μg/ml以上の濃度で Ioo の発生頻度を抑制したが, Ioo の振幅には影響を与えなかった. 10μg/ml のヘパリンはノルアドレナリンで誘発された一過性外向電流を抑制したが, カフェインにより誘発された Ioo には全く影響を与えなかった. また細胞内に投与した IP_3 により誘発された Ioo をヘパリン(10μg/ml)は抑制した. ネオマイシン(30μM)は Ioo によって運ばれる電流量を対照の約50%まで抑制し, ネオマイシン存在下ではノルアドレナリンは Ioo に対して作用を示さなかった. 更に GTP(200μM)は Ioo を増強させ, GDPβS(1mM)は逆に抑制した. これらの結果は Ioo の発生にはカフェイン感受性 Ca遊離チャンネルと同様 IP_3 感受性 Ca遊離チャネルも強く関与していると思われた. 更に, IP_3 感受性 Ca遊離チャネルを介して発生する Ioo は膜脱分極により IP_3 が合成されることによると思われた. |
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ISSN: | 0015-5691 |