新しい抗不安薬(buspirone)の神経化学的研究
Buspirone は臨床的な抗不安効果発現まで約4週間を要することを一つの特徴とする. このことに関連して, 我々は buspirone を長期投与した時の脳内 5-HT_1A 受容体および a_2 受容体の変化を短期投与時のそれと比較検討した. (方法)Wistar系雄性ラットに対し buspirone 20mg/kg を 3日間(A群), あるいは 28日間(B群)連日経口投与し, それぞれに対しコントロールを設けた. 最終薬物投与の 8時間後に断頭, 脳摘出し粗膜分画を作成した. 受容体結合実験は, [H^3 ]80H-DPAT および[H^3 ]UK14, 304 を用いて, それぞ...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1992, Vol.99 (2), p.36-36 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Buspirone は臨床的な抗不安効果発現まで約4週間を要することを一つの特徴とする. このことに関連して, 我々は buspirone を長期投与した時の脳内 5-HT_1A 受容体および a_2 受容体の変化を短期投与時のそれと比較検討した. (方法)Wistar系雄性ラットに対し buspirone 20mg/kg を 3日間(A群), あるいは 28日間(B群)連日経口投与し, それぞれに対しコントロールを設けた. 最終薬物投与の 8時間後に断頭, 脳摘出し粗膜分画を作成した. 受容体結合実験は, [H^3 ]80H-DPAT および[H^3 ]UK14, 304 を用いて, それぞれ 5-HT_1A および a_2 受容体の Scatchard解析を行った. (結果および考察)(1)5-HT_1A 受容体:海馬において, Bmax は A群で有意の減少を認めたが, B群では有意の変化は認めなかった. Kd はいずれも有意の変化は認めなかった. (2)a_2 受容体:扁桃体において, Bmax は A群では有意の変化を認めず, B群で有意の増加を認めた. Kd は A群で有意の増加を認めた. 以上のような受容体の変化が buspirone の抗不安効果の発現に関与する可能性があると考えられた. |
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ISSN: | 0015-5691 |