Jurkat細胞(ヒト T 細胞)における DNA合成の P2-アゴニストによる促進

ヒトヘルパー T 細胞株 Jurkat はコンカナバリン A など植物レクチンによって増殖することが知られている. 今回, 我々は Jurkat細胞膜上に P2-プリン作動性受容体が存在し, 細胞増殖につながっていることを見い出したので報告する. 結果・考察 [Methyl-^^3 H]thymidine の細胞内への取り込みを指標に Jurkat細胞における DNA合成を測定したところ, P2-アゴニストといわれている ATP, ADP, GTP, GDP が DNA合成を促進させた. P1-アゴニストといわれているアデノシンアナログは効果がなかった. このことから, Jurkat細胞には...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1992, Vol.99 (2), p.13-13
Hauptverfasser: 徳光幸子, 柳川芳毅, 野村靖幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ヒトヘルパー T 細胞株 Jurkat はコンカナバリン A など植物レクチンによって増殖することが知られている. 今回, 我々は Jurkat細胞膜上に P2-プリン作動性受容体が存在し, 細胞増殖につながっていることを見い出したので報告する. 結果・考察 [Methyl-^^3 H]thymidine の細胞内への取り込みを指標に Jurkat細胞における DNA合成を測定したところ, P2-アゴニストといわれている ATP, ADP, GTP, GDP が DNA合成を促進させた. P1-アゴニストといわれているアデノシンアナログは効果がなかった. このことから, Jurkat細胞には P2-受容体が存在し, 細胞増殖促進作用につながっていると推定した. ATP は cAMP を増加させると同時に[Ca^2+ ]_i を上昇させた. 一方, GTP は cAMP生成および[Ca^2+ ]_i の上昇について何ら作用を示さなかった. このことは, cAMP や[Ca^2+ ]_i レベルの増加が DNA合成に連関していないことを示している. しかしながら, ATP と GDP あるいは GTP と ADP の同時添加は, 各々単独の効果に比べて相乗効果を発現した. これらの事実は, アデニンヌクレオチドとグアニンヌクレオチドは各々異なった受容体に結合し, 互いに連関している結果, DNA合成の相乗効果となって発現していると推定した.
ISSN:0015-5691