炭酸脱水酵素とMg^2+ -HCO_3 -ATPaseの活性を指標としたエストラジオール作用の性差・臓器特異性

エストロジェン作用の性差・臓器特異性をラット十二指腸粘膜(Dm), 腎皮質のcytosolにおける炭酸脱水酵素(CA), brush borderにおけるMg^2+ -HCO_3- ATPase(ATPase)の活性を指標として調べた. 血清テストステロン, E_2 濃度はRIA法により測定した. 正常成熟♂ラットにプロピオン酸エストラジオール(E. P. )を7日間皮下投与(以下同じ)すると, 腎のCA, ATPase活性は用量依存的に増加したが, Dmでは変化なかった. ♀ラットにE. P. を投与すると, Dmの両酵素活性は増加したが腎ではATPase活性のみ増加した. 睾丸摘出(2~3...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1991, Vol.98 (6), p.548-548
Hauptverfasser: 鈴木史郎, 高村省三, 吉田純子, 丹羽修
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:エストロジェン作用の性差・臓器特異性をラット十二指腸粘膜(Dm), 腎皮質のcytosolにおける炭酸脱水酵素(CA), brush borderにおけるMg^2+ -HCO_3- ATPase(ATPase)の活性を指標として調べた. 血清テストステロン, E_2 濃度はRIA法により測定した. 正常成熟♂ラットにプロピオン酸エストラジオール(E. P. )を7日間皮下投与(以下同じ)すると, 腎のCA, ATPase活性は用量依存的に増加したが, Dmでは変化なかった. ♀ラットにE. P. を投与すると, Dmの両酵素活性は増加したが腎ではATPase活性のみ増加した. 睾丸摘出(2~3週)はDm, 腎のCA活性を増加させるので内因性テストステロンはCA活性に対し抑制性因子と思われるがATPase活性に対しては影響を与えず, この状態にE. P. を投与するとDmのCA活性は低下したがATPase活性は増加し正常♀型反応を呈した. 一方腎の酵素活性は正常♂と同様であった. 卵巣摘出ラット(2~3週)にE. P. を投与するとDmのCA, ATPase活性は変化せず一見♂型反応を示したが, 腎の酵素活性は♀型のままであった. Dmと腎ではE. P. による両酵素活性の変動が異なること, 性腺摘出後のE. P. 投与で反応の型が変わることが認められた.
ISSN:0015-5691