遊離ラット肝細胞におけるα_1 受容体サブタイプと細胞内情報伝達系について

α_1 受容体刺激による肝細胞内Ca^2+ 濃度(「Ca^2+ 」i)の増加反応が如何なるα_1 受容体サブタイプによるのかを検討した. 肝細胞はWistar系雄ラット(体重300-500g)より調整し, 「Ca^2+ 」iはfura-2を用いて測定した. Noradrenaline(Nad)はラット肝細胞のα_1 受容体を介して「Ca^2+ 」iを増加させる. Nadの「Ca^2+ 」i増加作用は, 細胞外液中Ca^2+ 存在下での方が非存在下よりも顕著であり, 前者では後者の約8倍程の変化が観察された. 肝細胞を1-100μMのchioroethylclonidine(CEC)で前処置して...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1991, Vol.98 (6), p.545-545
Hauptverfasser: 野村隆英, 橘正克, 渡邊とし子, 横山理絵, 鵜飼起久子, 野村裕子, 萩野泰道
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:α_1 受容体刺激による肝細胞内Ca^2+ 濃度(「Ca^2+ 」i)の増加反応が如何なるα_1 受容体サブタイプによるのかを検討した. 肝細胞はWistar系雄ラット(体重300-500g)より調整し, 「Ca^2+ 」iはfura-2を用いて測定した. Noradrenaline(Nad)はラット肝細胞のα_1 受容体を介して「Ca^2+ 」iを増加させる. Nadの「Ca^2+ 」i増加作用は, 細胞外液中Ca^2+ 存在下での方が非存在下よりも顕著であり, 前者では後者の約8倍程の変化が観察された. 肝細胞を1-100μMのchioroethylclonidine(CEC)で前処置しておくと, Nad(10μM)による「Ca^2+ 」i増加作用は, 細胞外Ca^2+ 存在下, 非存在下いずれの場合でも用量依存性に抑制された. 100μMCEC前処置によるNad反応の抑制は, 細胞外Ca^2+ 存在下および非存在下でそれぞれ, 約64%と96%であった(n=4). Ca^2+ 動員ホルモンの1つであるvasopressinの作用はCECによっては全く影響されなかった. α_1 作動薬のうちphenylephrine(Phe, 10μM)は「Ca^2+ 」iを増加させたが, methoxamine(10μM)は変化を及ぼさなかった. Pheの作用もCEC処置により消失した. 我々の結果は, 肝細胞内Ca^2+ 動員に関与するα_1 受容体はα_1b である事を示唆している.
ISSN:0015-5691