平滑筋収縮の異種型脱感作にたいする局所麻酔薬の作用

我々は, モルモット盲腸紐平滑筋をカルバコール(CCh)処理すると, 細胞外Ca流入機構及び細胞内貯蔵Ca放出機構に変化が生じる結果, 異種型脱感作が発生すること, また, 細胞内貯蔵Ca放出機構のうち, Ca誘起Ca放出機構の変化は局所麻酔薬であるテトラカインにより完全に阻害されるがジブカインでは阻害されないこと, イノシトール三燐酸誘起Ca放出機構の変化は局所麻酔薬により抑制され難いことを報告した. そこで, 今回は, CCh誘起異種型脱感作における細胞外Ca流入機構の変化に対する局所麻酔薬の作用について検討した. ヒスタミン収縮・K^+ 収縮の脱感作はテトラカイン及びジブカインにより有意...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1991, Vol.98 (6), p.519-519
Hauptverfasser: 成田文浩, 菱沼滋, 内田幸宏, 黒川正則
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は, モルモット盲腸紐平滑筋をカルバコール(CCh)処理すると, 細胞外Ca流入機構及び細胞内貯蔵Ca放出機構に変化が生じる結果, 異種型脱感作が発生すること, また, 細胞内貯蔵Ca放出機構のうち, Ca誘起Ca放出機構の変化は局所麻酔薬であるテトラカインにより完全に阻害されるがジブカインでは阻害されないこと, イノシトール三燐酸誘起Ca放出機構の変化は局所麻酔薬により抑制され難いことを報告した. そこで, 今回は, CCh誘起異種型脱感作における細胞外Ca流入機構の変化に対する局所麻酔薬の作用について検討した. ヒスタミン収縮・K^+ 収縮の脱感作はテトラカイン及びジブカインにより有意に抑制された. これは, 外液Ca依存性収縮の異種型脱感作の本態が, 細胞膜Caチャンネル機能の変化であることを示唆する. 一方, CCh収縮の脱感作は, どちらの局所麻酔薬によっても抑制されなかった. また, ムスカリン受容体(mAChR)刺激薬でも, 細胞内Caを利用せず細胞外Ca流入にのみ依存して収縮を引き起こすMcN-A-343及びAHR-602による収縮の脱感作は, テトラカインにより抑制されたが, ジブカインでは抑制されなかった. このように, mAChRを介した収縮の同種型脱感作に対する局所麻酔薬の作用の違いは, その発生機構の複雑さを反映しており, 更に検討が必要である.
ISSN:0015-5691