幼若期および成熟期モルモット気管平滑筋のコリン作動性神経刺激反応に対する低温効果の相違

幼若期(16週齢)モルモットの気管鎖標本を用いて,電気刺激あるいは外来性acetylcllolineやcarbacholによる収縮反応に対する低温の影響を検討した.幼若モルモットの気管筋において,37°Cから20°Cへ栄養液温度を低下させると,carbachol(0.01~3μM)収縮は抑制されたが,壁内コリン作動性神経刺激(0.05~2Hz,0.6msec,150mA)効果やacetylcholine(0.01~3μM)収縮は逆に増強された.carbacholの-logEC50値は低温により有意な変化を示さなかった.physostigmine(0.05μM)を前処置しておくと,コリン作動性神...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1991, Vol.98(6), pp.491-501
1. Verfasser: 町田, 尚美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:幼若期(16週齢)モルモットの気管鎖標本を用いて,電気刺激あるいは外来性acetylcllolineやcarbacholによる収縮反応に対する低温の影響を検討した.幼若モルモットの気管筋において,37°Cから20°Cへ栄養液温度を低下させると,carbachol(0.01~3μM)収縮は抑制されたが,壁内コリン作動性神経刺激(0.05~2Hz,0.6msec,150mA)効果やacetylcholine(0.01~3μM)収縮は逆に増強された.carbacholの-logEC50値は低温により有意な変化を示さなかった.physostigmine(0.05μM)を前処置しておくと,コリン作動性神経刺激やacetylcholine(0.01~3μM)による収縮は増強されたが,栄養液温度を低下してもそれ以上の増強は認められなかった.―方,成熟モルモットの気管筋において,コリン作動性神経刺激による収縮はpllysostigmine前処置によって増強されたが,さらに栄養液温度を低下すると逆に抑制された.幼若および成熟モルモットから摘出した気管筋のacetylcholinesterase活性を組織化学的に比較してみると,幼若モルモットの方が高い傾向にあった.以上の実験結果より,幼若モルモット気管筋における低温によるコリン作動性神経刺激や外来性acetylcholineによる収縮反応の増大は,組織内acetylcholinesterase活性が低温により抑制されたためであると考えられる.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.98.6_491