非ステロイド性抗炎症剤Alminoprofenの解熱作用機序
alminoprofen(AP)の発熱に対する作用を,無麻酔下の発熱ウサギモデルを用いて検討した.発熱は,lipopolysaccharide(LPS)の静脈内投与,leukocytic pyrogen(LP)の大槽内投与およびarachidonic acid(AA)の大槽内投与により惹起した.また,LPS投与後の脳脊髄液中のAPおよびPGE2量を測定した.AP(3~30mg/kg,p.o.)は,LPS(0.5beg/kg,i.v.)により惹起された発熱を用量依存的に抑制した(AP,ibuprofen,indomethacin,pranoprofenのED50値は,各々9.64,26.45,4...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1991, Vol.98(6), pp.457-466 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | alminoprofen(AP)の発熱に対する作用を,無麻酔下の発熱ウサギモデルを用いて検討した.発熱は,lipopolysaccharide(LPS)の静脈内投与,leukocytic pyrogen(LP)の大槽内投与およびarachidonic acid(AA)の大槽内投与により惹起した.また,LPS投与後の脳脊髄液中のAPおよびPGE2量を測定した.AP(3~30mg/kg,p.o.)は,LPS(0.5beg/kg,i.v.)により惹起された発熱を用量依存的に抑制した(AP,ibuprofen,indomethacin,pranoprofenのED50値は,各々9.64,26.45,4.41,11.91mg/kg,p.o.であった).AP(30mg/kg,p.o.)は,LPS静注後の体温上昇と脳脊髄液中のPGE2量の増加を著明に抑制した.AP(30mg/kg,p.o.)において,投与2時間後の脳脊髄液中のAP量は2.86×10-6(1.15~4.57×10-4)Mであった.その濃度はPG生合成を阻害するにはかなり低いものであった.LP(1~8単位)およびAA(10~100μg)の大槽内投与により用量依存的な発熱反応がみられた.AP(30mg/kg,p.o.)は,LPの大槽内投与による発熱の用量反応曲線を右方に平行移動させたが,AAによる発熱に対しては何ら影響を及ぼさなかった.以上の結果より,APは相対的に強い解熱作用を有すること,その解熱作用が,従来非ステロイド性抗炎症剤の解熱作用機序として考えられてきた中枢でのシクロオキシゲナーゼ阻害によるものではなく,中枢でのLPとの競合によることが示唆された. |
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ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.98.6_457 |