脊髄小脳変性症モデル:ラットにおける3-acetylpyridine誘発運動失調

[目的]3-acetylpyridine (3-AP)処置により, ラットの下オリーブ核を中心として脊髄小脳変性症(SCD)類似の神経細胞の変性が観察されることが知られているが, この変性と運動失調との関係についてはほとんど明らかにされていない. そこで今回, 我々は3-AP誘発運動失調の程度を, 歩行パターンから定量化を試みた. [方法]3-AP(40mg/kg, i.p.)処置ラットを幅約30cm, 長さ約120cmの記録紙上に電気ショックを与え強制走行させ, その走行様式, 走行速度および後肢足跡より測定した歩長, 歩角(走行中の左右後肢を結ぶ線とスタートラインとの角度), 進行角(正常...

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Hauptverfasser: 木下潔, 藤塚達也, 山村道夫, 石田柳一, 小口敦
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[目的]3-acetylpyridine (3-AP)処置により, ラットの下オリーブ核を中心として脊髄小脳変性症(SCD)類似の神経細胞の変性が観察されることが知られているが, この変性と運動失調との関係についてはほとんど明らかにされていない. そこで今回, 我々は3-AP誘発運動失調の程度を, 歩行パターンから定量化を試みた. [方法]3-AP(40mg/kg, i.p.)処置ラットを幅約30cm, 長さ約120cmの記録紙上に電気ショックを与え強制走行させ, その走行様式, 走行速度および後肢足跡より測定した歩長, 歩角(走行中の左右後肢を結ぶ線とスタートラインとの角度), 進行角(正常進行線からの逸脱角度)から運動失調の程度を評価した. [結果]3-AP処置24時間後に著明な走行速度の低下, 歩長の短縮, 歩角および進行角の減少がみられた. 以後それらの変化は徐々に進行し, 3週間の観察期間中, 回復はみられなかった. また, 本モデルラットを用いTRHおよび新規TRH類縁体TA-0910の失調性歩行に対する作用を検討したので, その結果についても併せて報告する.
ISSN:0015-5691