肥満細胞(MC)に関する研究(第8報)マウス骨髄由来MC(BMMC)に関する基礎的検討(3)

(目的)我々は, すでにBMMCの系統差および至適培養期間についてchemical mediator(CM)遊離量を指標として検討し, 報告してきた. 今回, BMMCからのアナフィラキシー(ア)性CM遊離の至適条件およびこの条件下のleukotrienes(LTs)およびhistamine(H)の遊離に及ぼす薬物の影響について検討し, 以下の成績を得た. (方法)BALB/cマウスの大腿骨より得られた骨髄細胞浮遊液に, 北村らの方法に準じて作製したconditioned mediumを添加して, 5週間浮遊培養を行った. 得られたBMMCを抗DNP-Asラット血清で受動的に感作した後, 抗原...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1991, Vol.98 (3), p.52-52
Hauptverfasser: 山村秀樹, 大川栄一, 奈辺健, 河野茂勝, 大幡勝也
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(目的)我々は, すでにBMMCの系統差および至適培養期間についてchemical mediator(CM)遊離量を指標として検討し, 報告してきた. 今回, BMMCからのアナフィラキシー(ア)性CM遊離の至適条件およびこの条件下のleukotrienes(LTs)およびhistamine(H)の遊離に及ぼす薬物の影響について検討し, 以下の成績を得た. (方法)BALB/cマウスの大腿骨より得られた骨髄細胞浮遊液に, 北村らの方法に準じて作製したconditioned mediumを添加して, 5週間浮遊培養を行った. 得られたBMMCを抗DNP-Asラット血清で受動的に感作した後, 抗原により反応を惹起し, 遊離したLTsをradioimmunoassayにより, Hを東ソーH分析システムもしくはradioenzymatic assayによりそれぞれ定量した. (結果)抗原10^-8 ~10^-4 g/mlによるLTsおよびH遊離はいずれも10^-6 g/mlより遊離が認められ, 10^-5 g/mlでほぼ最大の遊離量を示した. 抗原10^-5 g/mlによるLTsおよびH遊離はそれぞれ抗原添加20および5min後に最大となり, いずれも以後40minまでほぼ一定であった. このア性CM遊離は抗原添加直前のEDTA処置により極めて強く抑制された. また, disodium cromoglycate, procaterol, isoproterenol, salbutamolおよびHPR-611のいずれの処置によってもこれらのア性CM遊離はほとんど抑制されないか, もしくは全く抑制されなかった.
ISSN:0015-5691