子宮動脈におけるプロスタグランディンの弛緩作用機序

Prostaglandin (PG)は子宮筋に作用して月経痛の発現や分娩の進行に関与することが知られているが, 子宮動脈に対する作用は不明である. そこで今回は, 子宮動脈におけるPGF_2 α, PGE_2 及びPGI_2 誘導体Beraprostの作用とその機序について比較検討した. イヌの子宮動脈ラセン状条片標本を作製し, 37℃の栄養液中に懸垂して等尺性張力変化を記録した. PGF_2 αはPhenylephrineで収縮させた子宮動脈標本を低濃度で弛緩した. この弛緩は内皮除去の影響を受けなかったが, Indomethacin (IM)ないしAspirin (ASP)の処置により収縮...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 木村俊雄, 吉田一秀, 岡村富夫, 戸田昇
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:Prostaglandin (PG)は子宮筋に作用して月経痛の発現や分娩の進行に関与することが知られているが, 子宮動脈に対する作用は不明である. そこで今回は, 子宮動脈におけるPGF_2 α, PGE_2 及びPGI_2 誘導体Beraprostの作用とその機序について比較検討した. イヌの子宮動脈ラセン状条片標本を作製し, 37℃の栄養液中に懸垂して等尺性張力変化を記録した. PGF_2 αはPhenylephrineで収縮させた子宮動脈標本を低濃度で弛緩した. この弛緩は内皮除去の影響を受けなかったが, Indomethacin (IM)ないしAspirin (ASP)の処置により収縮に転じ, Tranylcypromine (TC), Diphloretin phosphate (DPP)処置により抑制された. PGE_2 は子宮動脈標本を用量依存性に弛緩した. この弛緩は内皮除去及びNO合成阻害薬により一部抑制されたが, IM, ASP及びDPP処置により影響を受けなかった. Beraprostによる弛緩は, DPP処置により抑制されたが, IM, ASP及びTC処置により影響を受けなかった. PGF_2 αは血管平滑筋からの血管拡張性Prostanoid(おそらくPGI_2 )を遊離して動脈を弛緩させるが, PGE_2 の弛緩には一部EDRFの遊離が関与すると結論される. 他方, PGI_2 は平滑筋に直接作用するようである.
ISSN:0015-5691