L-Arginineによる内皮非依存性Nitric Oxide(NO)産生は加齢により減弱する
EDRFの基質と考えられているL-arginine(L-Arg)は初回の適用ではラット胸部大動脈標本を弛緩させない. ところが繰り返し適用するうちに徐々に弛緩を引き起こすようになる. この弛緩反応は平滑筋でNOが産生され(MDNO), soluble guanylate cyclase (sGC)~cGMP経路を介したものであることを私達は第64回日本薬理学会総会において報告した. 今回は, 加齢がL-Argによる内皮非依存的な弛緩反応とcGMP産生にどのような影響を与えるか検討した. なお, 実験はすべて内皮を除去した血管標本を用いて行った. 1. L-ArGによる弛緩反応は週齢の増加に伴っ...
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Zusammenfassung: | EDRFの基質と考えられているL-arginine(L-Arg)は初回の適用ではラット胸部大動脈標本を弛緩させない. ところが繰り返し適用するうちに徐々に弛緩を引き起こすようになる. この弛緩反応は平滑筋でNOが産生され(MDNO), soluble guanylate cyclase (sGC)~cGMP経路を介したものであることを私達は第64回日本薬理学会総会において報告した. 今回は, 加齢がL-Argによる内皮非依存的な弛緩反応とcGMP産生にどのような影響を与えるか検討した. なお, 実験はすべて内皮を除去した血管標本を用いて行った. 1. L-ArGによる弛緩反応は週齢の増加に伴って減弱してゆき, 4週齢の血管に比べ100週齢では濃度作用曲線は約40倍高濃度側に移動するとともに最大反応も約60%に減少していた. 2. L-ArgによるcGMP産生も, 老齢血管(100週齢)では若いラットの血管(10週齢)に比べ約30%に減少していた. 3.一方, sGC~cGMP経路を介するnitroprussideの弛緩作用も週齢の増加に伴って減弱したが, その程度はL-Argによる弛緩反応の減弱に比べると小さくかつ濃度作用曲線は高濃度側に平行移動しただけであった. L-Argの内皮に依存しない弛緩作用は加齢により減弱することが明らかになったが, これは平滑筋でのNO産生の減弱によるものと推測される. |
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ISSN: | 0015-5691 |