釣藤鈎に含まれるアルカロイドヒルスチンによるイオン・チャネル抑制効果
ヒルスチンはカギカズラ(漢薬名:釣藤鈎)より得られるインドールアルカロイドであり, 神経節遮断様作用を示すことが報告されている. 今回我々は, このヒルスチンの作用が, ヘキサメトニウムと同様にニコチン受容体イオン・チャネル抑制を介するか否かを検討するため, PC12細胞を用いニコチンにより活性化する内向き電流に対する効果を調べた. またその選択性を調べるためATPにより活性化する電流, およびカルシウム・チャネル, カリウム・チャネルを介する電流に対する効果も検討した. <結果および考察>PC12細胞においてヒルスチン(1-10μM)はニコチン(100μM)により活性化される内向き電流を濃度...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1991, Vol.98 (3), p.28-28 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | ヒルスチンはカギカズラ(漢薬名:釣藤鈎)より得られるインドールアルカロイドであり, 神経節遮断様作用を示すことが報告されている. 今回我々は, このヒルスチンの作用が, ヘキサメトニウムと同様にニコチン受容体イオン・チャネル抑制を介するか否かを検討するため, PC12細胞を用いニコチンにより活性化する内向き電流に対する効果を調べた. またその選択性を調べるためATPにより活性化する電流, およびカルシウム・チャネル, カリウム・チャネルを介する電流に対する効果も検討した. <結果および考察>PC12細胞においてヒルスチン(1-10μM)はニコチン(100μM)により活性化される内向き電流を濃度依存的に抑制し, その強さはヘキサメトニウムと同程度であった. これに対しATP(100μM)により活性化される電流には影響しなかった. またヒルスチン(10-100μM)は電位依存性カルシウム・チャネルを介するバリウム電流や電位依存性のカリウム電流を抑制した. 今回の研究よりヒルスチンの節遮断様作用は, ニコチン受容体チャネル抑制に起因するが, このイオン・チャネル抑制作用は必ずしも選択的でないことが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0015-5691 |