種々薬物の毛髪内濃度モニタリング
毛髪は過去の服薬歴を記録している"テープレコーダー"であり, patient complianceを知ることができる有用な生体試料である. そこで如何なる薬物が毛髪中へ移行し易いか検討した. [方法]ハロペリドール(HP), クロルプロマジン(CP), オフロキサシン(OFLX)のいずれかの投与を受けたことがあるか, 喫煙習慣のある白髪混じりの患者より, 白髪と黒髪とを両方採取した. 新薬8薬剤の臨床第I相試験においてそれぞれの連続投与試験に参加した被験者より試験終了後経時的に毛髪を採取し毛髪内薬物濃度が測定し得るか否かを検討した. [結果・考察]HP, CP, OFLX及...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 毛髪は過去の服薬歴を記録している"テープレコーダー"であり, patient complianceを知ることができる有用な生体試料である. そこで如何なる薬物が毛髪中へ移行し易いか検討した. [方法]ハロペリドール(HP), クロルプロマジン(CP), オフロキサシン(OFLX)のいずれかの投与を受けたことがあるか, 喫煙習慣のある白髪混じりの患者より, 白髪と黒髪とを両方採取した. 新薬8薬剤の臨床第I相試験においてそれぞれの連続投与試験に参加した被験者より試験終了後経時的に毛髪を採取し毛髪内薬物濃度が測定し得るか否かを検討した. [結果・考察]HP, CP, OFLX及び喫煙によるニコチンはいずれも黒髪から検出されたが白髪からは殆ど検出されなかった. CP, HPのmelano-proteinに対する親和性は同程度であったが両者を併用している患者からは, 用量比・血中濃度比いずれをとってもCPはHPに比して毛髪中濃度が1/10以下であった. CPの光に対する安定性を調べたが黒髪中での光による分解は少ないと考えられた. 新薬8薬剤中毛髪より検出されたのは5薬剤であった. 以上を総合すると薬剤の毛髪中への移行にはメラニンとの親和性が重要な因子であるが, それだけではないこと, 光に対する安定性も一部関与すること, 極性が極端に高い薬物は移行しないことが考えられた. |
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ISSN: | 0015-5691 |