PTH, PTHrpのラット全身および局所血行動態に及ぼす影響

副甲状腺ホルモン(PTH)の血管拡張作用は数々の動物において報告されている. PTH関連ペプチド(PTHrp)は悪性腫瘍における高カルシウム血症の液性因子として発見され, ラット骨細胞, 犬腎細胞膜, ウサギ腎微小血管において, PTHと同一リセプターに結合することか報告されている. 我々は無麻酔ラットにおける全身並びに局所血行動態に及ぼすヒトPTH(1-34)とPTHrp作用を比較検討した. 全身そして局所血行動態は放射性マイクロスフェアー法を用いて調べた. PTHrpの降圧反応はPTHより約3倍強力であった. ヒトPTH(15μg/kg/mim)とPTHrp(5μg/kg/mim)は同程度...

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Hauptverfasser: 藤岡庄司, 岸本博至, 内本定彦, 津村圭, 森井浩世
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:副甲状腺ホルモン(PTH)の血管拡張作用は数々の動物において報告されている. PTH関連ペプチド(PTHrp)は悪性腫瘍における高カルシウム血症の液性因子として発見され, ラット骨細胞, 犬腎細胞膜, ウサギ腎微小血管において, PTHと同一リセプターに結合することか報告されている. 我々は無麻酔ラットにおける全身並びに局所血行動態に及ぼすヒトPTH(1-34)とPTHrp作用を比較検討した. 全身そして局所血行動態は放射性マイクロスフェアー法を用いて調べた. PTHrpの降圧反応はPTHより約3倍強力であった. ヒトPTH(15μg/kg/mim)とPTHrp(5μg/kg/mim)は同程度の降圧を起こしたが, ヒトPTHは心拍出量を著明に増加し, PTHrpは心拍出量において変化しなかった. 局所血行動態におけるヒトPTHとPTHrpの作用はほぼ同じであった. 特に, 両ペプチイドは冠血管と肝動脈において著明な血管拡張作用を有した. PTHおよびPTHrpはCa代謝以外に直接心血管作用することにより血圧及び局所血行動態に影響を与える事が示唆された.
ISSN:0015-5691